
AI技術の進化により、さまざまな業務が自動化され、Webデザインもその例外ではありません。この記事では、生成AIがもたらすWebデザインへの影響と、AIを活用できるデザイナーにWebデザインを依頼すべき理由について解説します。
AIデザインツールの現状や、これからのWebデザイナーに求められるスキルについても説明するので、自社の採用の際に参考にしてください。
AIのWebデザインへの影響
昨今Webデザインの制作をする際に、AIを活用する企業が増えています。
合同会社田島デザインの調査によると、デザイナーで月数回以上AIを利用している人は50%以上、毎日AIを利用している人は20%以上と、ほかの職種よりAIの利用率が高いことがわかっています。
また、同じ調査で、職業別に月1回以上利用するAIツール数をみると以下のようになっています。
デザイナーはデータサイエンティストに次いでAiツールの利用頻度が高く、10個以上利用する人の割合も多いことが明らかになりました。
出典:合同会社田島デザイン【2024年版最新】どれが人気!?デザイン系AIの認知率・普及率に関するアンケート結果まとめ
AIを活用できるデザイナーにWebデザインを依頼すべき理由
上記の調査結果から、企業がWebデザインの制作にAIを導入する場合、AIを活用できるデザイナーに依頼する方法は、最も有効で成果が期待できる手段のひとつです。
デザインの品質やブランドのアイデンティティを保ちつつ、デザインにかかるコスト削減や作業の効率化を図ることができ、社内にAI活用のノウハウを蓄積することも可能です。
一方、適切な使い方を知る人材が社内にいない場合、AIに依存するとブランド戦略やユーザー体験の観点から問題が発生する可能性があります。
関連記事:AIを扱えるデザイナーとは?企業からの需要や求められる役割を解説
AIを活用したデザインツール10選
前述の合同会社田島デザインの調査で、認知率・利用率が高かかったAIツールを、画像・グラフィック系、Web系それぞれ5つずつ紹介します。
画像・グラフィック系AIツールBest5 | ||
---|---|---|
ツール名 | 認知率 | 利用率 |
Midjouney | 30.2% | 24.2% |
Stable Diffusion/Stability AI | 28.9% | 22.5% |
DALL-E | 22.5% | 15.1% |
DesignEvo | 20.1% | 14.4% |
Brandmark | 18.8% | 14.1% |
Web系AIツールBest5 | ||
---|---|---|
ツール名 | 認知率 | 利用率 |
Create.xyz | 25.8% | 19.1% |
tl;draw makereal | 25.2% | 22.8% |
Framer | 24.2% | 20.1% |
Kleap AI website generator | 23.2% | 18.5% |
Duda | 18.5% | 12.1% |
出典:合同会社田島デザイン【2024年版最新】どれが人気!?デザイン系AIの認知率・普及率に関するアンケート結果まとめ
Midjouney
Midjourneyは、テキストプロンプトをもとに高品質な画像を生成するAIツールです。Discordというアプリのチャットでユーザーが入力したテキストのイメージに基づいて、イラストや写真など、さまざまなスタイルの画像を生成します。
参考:Midjourney
Stable Diffusion/Stability AI
Stable Diffusionは、テキストや画像プロンプトから高品質なプロフェッショナルなグレードの高い画像を生成します。日本語入力を重視したテキスト画像生成モデル「Japanese Stable Diffusion XL」は、従来の英語モデルよりも日本語表現を理解し、ネイティブ感のある高品質な画像生成が可能です。
参考:Stable Diffusion/Stability AI
DALL-E
OpenAIが開発したDALL-Eは、ChatGPTをベースに構築されており、ChatGPTをブレインストーミングのパートナーとして、またプロンプトのリファインダーとして活用できます。
アイデアを入力すると、ChatGPTはDALL-E向けに、アイデアを形にするためのプロンプトを自動的に生成します。生成された画像の微調整もChatGPTに依頼することが可能です。
参考:DALL-E
DesignEvo
DesignEvoは、10,000以上のテンプレートを備えた無料のオンラインロゴメーカーで、誰でも使えるようにシンプルにデザインされたUIが特徴です。シンプルな操作で、ブランドの特性に合った洗練されたデザインを短時間で生成することができます。
参考:DesignEvo
Brandmark
Brandmarkは、AIを活用したロゴジェネレーターです。すぐに使える何千ものデザインアセットが用意されており、名刺デザイン、ソーシャルメディアグラフィック、アプリアイコン、レターヘッドなど、ビジネスのためのユニークでプロフェッショナルなロゴを作成することができます。
参考:Brandmark
Create.xyz
Create.xyzは、AIの力でデザイン作業を自動化するツールです。シンプルなインターフェースが特徴で、アプリにテキストを送信するだけで、ユーザーのビジョンを迅速に具現化できます。特にWebデザインやビジュアルコンテンツの制作に優れており、手軽に魅力的なデザインを作成することが可能です。
参考:Create.xyz
tl;draw
tl;drawは、無料ですぐに使えるバーチャルホワイトボードで、オンラインで簡単にアイデアを共有し、メンバーとコラボレーションできるツールです。登録不要で、モバイル、タブレット、デスクトップなど、あらゆるデバイスで利用できます。チームでのブレインストーミングやビジュアル作成に適しており、リアルタイムでの共同作業が可能です。
参考:tl;draw
Framer
Framerは、アイデアを高性能なWebサイトに素早く変換するWebサイトビルダーです。コード不要で洗練されたデザインのインタラクティブなWebサイトを構築できます。使い方はWebサイト上で公開されており、簡単に習得することができます。テンプレートから始めてプラグインでレベルアップすることも可能です。
参考:Framer
Kleap
Kleapは、AIが作業の80%を自動で行うWebサイトビルダーです。登録不要で無料で試すことができます。わずか数十秒で、SEO、モバイルを重視した魅力的なWebサイトを作成できる点が特徴です。多言語に対応しており、 AIによるサポートやフォーム、ブログ、商品販売、メンバーシップなど、多様な機能を利用することができます。
参考:Kleap
Duda
Dudaは、レスポンシブなWebデザインを簡単に作成できるプロフェッショナルなWebサイトビルダーです。強力なノーコード エディター、グローバル デザイン設定、AI ツールなどを使用して、Webサイトを迅速に構築・公開し、生産性を次のレベルに引き上げて、ビジネスの拡大に貢献します。
参考:Duda
関連記事:デザインツールの種類とは?最新トレンドや案件獲得におすすめのツールを紹介
これからのWebデザイナーに求められるスキル
AIの進化によりデザイン作業は自動化されつつあります。そのため、これからのWebデザイナーに求められるスキルは、以下のように変化しています。
- デザイン力
- ディレクション能力
- コミュニケーション能力
- マーケティングやUX視点
AIを活用して業務を効率化し、よりクリエイティビティを発揮できるWebデザイナーを採用するには、上記のようなスキルを保有しているかを見極めることが重要です。
それぞれ詳しく説明します。
デザイン力
これからのWebデザイナーには独自性や創造性を発揮し、ブランドのアイデンティティを表現する力が求められます。視覚的な美しさだけでなく、目的に合ったデザインを構築するスキルが不可欠です。
ディレクション能力
今後、単純なデザイン作業はAIによって自動化されていくでしょう。そのため今後は、デザイン力が優れているだけでなく、チームをまとめ、要件を整理し、最適なデザインを実現するためのディレクション力がさらに重要になります。
コミュニケーション能力
AI活用が進むほど、人間同士の意思疎通がデザインの質に大きな影響を与えます。そのためクライアントやチームと円滑に情報を共有し、相手の意図を正確にくみ取る能力が必要です。
また、フィードバックを的確に受け入れ、柔軟にデザインを調整できる姿勢も求められます。
マーケティングやUX視点
デザインはユーザーの行動や心理を考慮する必要があり、効果的なWebデザインを構築するには、マーケティング戦略やUX(ユーザーエクスペリエンス)の視点を取り入れることが不可欠です。
直感的で使いやすいUI(ユーザーインターフェース)はユーザーの満足度を高め、CV(コンバージョン)率の向上につながります。
また、ユーザーの行動データを分析し、ターゲットに適したWebデザインを制作することで、プロジェクトの成功に貢献します。
関連記事:Webデザイナーの種類とは?依頼目的ごとのおすすめを紹介
【企業向け】Webデザイナーの選び方
ここからは、Webデザイナーを選考するにあたって、採用側が事前に準備すべきことを以下の4つのステップで解説していきます。
- 働き方を理解する
- 評価基準を設定する
- 面接の質問項目を設定する
- 採用手法を選ぶ
1.働き方を理解する
採用活動で人材の要件定義は必要不可欠ですが、要件を固める前に求める人物像を具体的に描くことが重要です。
そのためには、採用したい職種の人材がどのような働き方をしているのか、理解を深める必要があります。
次章で昨今のWebデザイナーの働き方について、さまざまな統計結果を基に説明するので参考にしてください。
また、以下の資料では、採用活動におけるペルソナ設計について解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

2.評価基準を設定する
これからのWebデザイナーには、創造力やAIを活用するスキルのほか、ビジネス成果を最大化するための戦略的な思考と設計力、調整力も求められます。
そのため、Webデザイナーを募集する際は、必要なスキルや能力を明確化したうえで、ポジションや職務内容のほか、期待する目標や成果、責任や権限の範囲などを明記したジョブディスクリプションを作成することをおすすめします。
ジョブディスクリプションを作成することによって、応募者に対して求める人物像を具体的に示すことができるため、採用時のミスマッチ防止につながります。
人事評価の際もジョブディスクリプションを活用すれば、Webデザイナーの業績や能力を客観的に評価することが可能です。これにより公平感や納得感を高めるとともに、評価制度の信頼性や透明性を向上させられるでしょう。
以下の資料は、初めてジョブディスクリプションを作成する方でも安心のテンプレート付となっています。こちらも無料でダウンロードできますので、自社で必要な人材の採用活動にぜひお役立てください。

関連記事:デザイナー採用に必要なジョブディスクリプションとは?作成のポイントも紹介
関連記事:デザイナー評価項目・方法は?定性的になりがちな人事制度の見直し方
3.面接の質問項目を設定する
面接では候補者と実際に会話ができるため、書類では測れない資質を見極めることが重要です。応募者から提出された書類を確認して、面接時に掘り下げて質問したい情報を洗い出しておきましょう。
面接でWebデザイナーに聞く質問は、主に以下の3つに分けられます。
- 技術スキル
- デザインプロセスの理解
- ソフトスキル
具体的にどのような質問で把握するのか、質問例を紹介します。
技術スキルに関する質問例 | ・HTML/CSS、JavaScriptでどの程度コーディングができますか? ・SEOを意識したデザインの工夫について教えてください。 ・よく使うデザインツールとその理由を教えてください。 |
デザインプロセスに関する質問例 | ・クライアントからの要件をどのようにデザインに反映しますか? ・チームで制作するときに意識していることは何ですか? |
ソフトスキルに関する質問例 | ・短納期のプロジェクトではどのようにタスクを調整しましたか? ・クライアントからのフィードバックをどのように反映させていますか? ・他職種と連携するときに心がけていることは何ですか? |
これらの質問から応募者のスキルや対応力を評価することができます。
関連記事:デザイナーと面接する際のポイントは?人材紹介利用のメリットも紹介
4.採用手法を選ぶ
近年労働人口の減少、売り手市場の加速、労働力流動化といったさまざま要因により、企業のニーズに合った人材を確保することが困難になっています。特にAIを活用して業務を効率化し、よりクリエイティビティを発揮できるWebデザイナーを採用するのは、さらに難しいでしょう。
そのため採用を成功させるには、採用市場の動向やトレンドを把握し、ターゲットに選ばれている採用手法について理解しておくことも重要です。
マイナビの調査によると、Webデザイナーを含むクリエイターが直近の転職で利用した手法・サービスは、情報収集と応募のいずれの段階でも「転職サイト」がトップで、次いで「人材紹介会社・転職エージェント」が多くなっています。
また、同じ調査でクリエイターやエンジニアは、転職についての相談をして進路決定の参考になった相手として、「家族(40.6%)」より「人材紹介会社・転職エージェント(44.4%)」と回答した人が多いことが明らかになりました。
これらの結果から、「人材紹介会社・転職エージェント」はクリエイターやエンジニアからの信頼を寄せられ、選ばれていることがうかがえます。
関連記事:採用手法の最新トレンド10選とメリット・デメリット、選び方のポイントも解説
関連記事:採用ツールの最新トレンド8選と選び方のポイントを採用シーンごとに解説
昨今のWebデザイナーの働き方は?求められる環境とは
ここからは、さまざまな調査や統計結果をもとに、採用側が把握しておきたいWebデザイナーの働き方の実態について見ていきましょう。
働いている人の人数や年齢、労働時間
厚生労働省の調査によると、Webデザイナーとして働いている人の人数は201,100人で、このうち東京都の就業者数が60,000人と約3割を占めています。年齢は平均38.8歳、労働時間は平均172時間/月で、こちらは地域差がほとんどありません。
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag:Webデザイナー」
雇用形態別の給料の違い
前述の調査によると、Webデザイナーの求人賃金(月額)は26.4万円となっています。ただし、東京都では23.7~35.9万円と給与幅が広くなっており、企業が求めるスキルや能力に応じて提示される給与額が大きく変わることが予想されます。
また、求人ボックスの調査によると、派遣社員の平均時給が1,797円、アルバイト・パートの平均時給が1,197円となっており、就業形態によっても差が生じています。
参考:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag:Webデザイナー」
デザイナーは社員よりフリーランスが多い
厚生労働省によると、Webデザイナーは正社員よりフリーランスで活躍している人が多いことが明らかになっています。
出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag:Webデザイナー」
また、近年副業解禁が進んだことにより、Webデザイナーのなかには、企業で働きながら副業案件を獲得してダブルワークをする人が増えています。
そのため、社員を雇用するよりもフリーランスと契約する方が、早期に人材不足を解消できる可能性があります。
関連記事:Webデザインの費用/料金相場は? 制作会社とフリーランスどちらに依頼すべきかも解説
フリーランスのWebデザイナーを探すならエージェントの活用がおすすめ
Webデザイナーを採用するにはさまざまな手法・サービスがありますが、フリーランスの採用に慣れていない企業はエージェント(人材紹介会社)の活用がおすすめです。
企業とフリーランスのニーズをもとに、プロのエージェントが介在して取引を進めてくれるため、以下に挙げたような多くのメリットが得られます。
- 即戦力となるWebデザイナーを採用できる。
- 面倒な条件交渉や契約手続きを代行してくれる。
- 契約を適切に運用できるようフォローしてくれる。
- Webデザイナーとの間でトラブルが発生した際に仲介してくれる。
- 業務委託から正社員への移行もスムーズ。
エージェントの選び方
一方、エージェントを利用する際の注意点として以下が挙げられます。
- 利用料が発生する。
- 候補者が少ない場合がある。
そのためエージェントの選定には、手数料率・登録デザイナー数・サポート体制に着目しましょう。3つの項目ごとのポイントを以下の表にまとめたので、エージェント選びの際は参考にしてください。
手数料率 | ・手数料には「利用料・仲介料」と「振込手数料」の2つがある。 ・「利用料・仲介料」は取引が成立し、報酬をデザイナーへ渡すときに支払う。 ・「振込手数料」を誰が負担するかは、報酬の支払い方法やサービスによって変わる。 |
登録デザイナー数 | ・登録者が多いサービスなら、条件を絞りやすく、多くの人材を比較できる。 ・サービス全体の登録者数のみ明示されている場合は、デザイナー以外の職種が多い可能性もある。 ・登録者数が少なくても、デザイナーに特化したサービスなら求める人材が見つかる可能性が高まる。 |
サポート体制 | ・どこまで対応してもらえるのか、トラブルが発生したときの対応範囲と問い合わせ先などを事前に確認しておく。 ・口コミなどサポートの対応に関するレビューをチェックする。 |
以下の資料は、フリーランスデザイナー専門のエージェントサービス『クロスデザイナー』に登録いただいている一部の注目デザイナーのリストです。無料でダウンロードできるのでぜひご覧ください。

関連記事:デザイナーを採用する企業におすすめの転職エージェント11選と選び方のコツを解説
フリーランスにWebデザインを依頼するならクロスデザイナーがおすすめ
本記事では、生成AIがもたらすWebデザインへの影響と、AIを活用できるデザイナーにWebデザインを依頼すべき理由について解説しました。
また、AIデザインツールの現状や、これからのWebデザイナーに求められるスキルについても詳細に説明しているので、自社の採用の際に参考にしてください。
AIを活用して業務を効率化し、よりクリエイティビティを発揮できるような優秀なWebデザイナーを採用するには、エージェント(人材紹介会社)の活用がおすすめです。
プロのエージェントに依頼すれば、即戦力となるWebデザイナー迅速に採用することができます。また、条件交渉や契約手続きを代行してくれるため、採用担当者の負担や工数を抑制できる可能性があります。
その際、デザインの知識やスキル、費用相場について熟知した、実績と信頼のあるフリーランス専門のエージェントサービスに依頼すれば、業界に詳しく安心して任せられるでしょう。 デザイナー専門の国内最大級エージェントサービス『クロスデザイナー』なら、厳正な審査を通過した即戦力デザイナーが7,000人以上在籍。採用コンサルタントが、自社に必要なデザイナーのスキルや要件をヒアリングして最適な人材を紹介します。
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- クロスデザイナーの特徴
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