デザイナーの年収は安いと聞くものの、なかには年収1,000万円を超えるデザイナーも存在します。なぜここまで大きな差が生まれるのでしょうか。

実は、年収は職種やスキル、働き方、所属企業などの要素によって大きく変動します。近年では、フリーランスとして活動する人材も増え、企業が外部パートナーとしてデザイナーを活用するケースも一般的になりつつあります。

本記事では、主要職種ごとに年収相場やスキル傾向を紹介しながら、企業担当者が外注時に知っておくべき適正な報酬の考え方についてくわしく解説します。発注・採用を検討するときの参考になさってください。

デザイナーの適正な年収はいくら？

「デザイナーの年収が低い」といわれる背景には、公開されている統計の多くがグラフィックデザインやDTPデザインなどに偏っていることや、媒体制作の補助的な業務として扱われてきた経緯があります。そのため、平均年収だけみると低いイメージを受けやすい実情があります。

しかし、近年のデザイナーはクリエイティブなデザインだけではなく、UX設計やビジネスの課題解決まで踏み込むケースも少なくありません。求められるスキルや役割が多様化しつつあります。

とくにブランディングやUI/UXなど、経営に関わる分野では成長への貢献度にあわせて高い報酬が設定されることも珍しくありません。年収600万円〜1,000万円超のデザイナーも活躍しており、その多くは高いスキルと豊富な実績をもつプロフェッショナルです。

デザイナーに依頼するときは目的や求める成果を明確にしたうえで、役割や難易度に応じた適正な報酬を検討することが大切です。業務内容と期待する価値に見合った対価を設定することで、より良い成果や信頼関係につなげることができます。

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デザイナーの働き方・キャリアの傾向

デザイナーの年収は、年齢やキャリアパスによって一概に語ることができません。これまでは「経験年数＝スキルレベル」と捉えがちでしたが、近年では学習環境の多様化やキャリアの多様性により、年齢とスキルが必ずしも比例しないケースが増えています。ここではデザイナーの働き方やキャリアの傾向を踏まえて、年収にどのような影響があるのかを解説します。

年齢とスキルは比例しない

デザイナーのスキルレベルは、年齢や経験年数だけで判断するのは適切ではありません。たとえば40代でも実務未経験というケースもあれば、20代でも実務経験を積み、年収500万円を超える若手デザイナーも存在します。

オンラインスクールや独学支援などの普及により、スキルの習得が広がっていますが、成果物や実績にもとづいた評価の必要性が高まりつつあります。そのため、デザイナーを採用するときは、年齢でスキルレベルを評価するのではなく、どのような環境で経験を積み、成果を残してきたのかを評価することが大切です。

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雇用形態が多様化している

デザイナーの働き方は、正社員や契約社員、業務委託など多岐にわたります。フリーランスデザイナーの場合、プロジェクトごとに報酬が変動し、年間600万〜1,000万円規模の報酬を得るデザイナーも少なくありません。

企業にとってもプロジェクトの規模や期間に応じて、最適な人材を確保するためにさまざまな雇用形態があることを理解し、活用するのが効果的です。

関連記事：雇用契約と業務委託の違いとは？メリット・デメリットや選び方を解説

企業規模や環境で変わる

デザイナーの年収は、企業規模や業界、地域によっても大きく異なります。一般的に大企業や都市部の企業のなかには、UI/UX領域で活躍するデザイナーに年収800万円〜1,000万円の報酬を提示している例もあります。

対して、地方や中小企業のデザイナーの年収は400万円前後のケースも一般的です。これは予算や業務内容の制約から、年収水準が抑えられていると考えられます。

そのため、デザイナーの採用や業務委託を検討するときは、企業規模や業界特性、地域性をふまえて、適切な報酬を設定する必要があります。

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【職種別】デザイナーの平均年収とスキル

代表的なデザイナーの職種別の年収相場と求められるスキルの傾向について解説します。同じデザイナーでも仕事内容や成果物で評価ポイントは異なるものです。職種ごとの特徴を理解することで、人材の見極めと適切な報酬設定に役立ちます。

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーの平均年収は459万円です。給与所得者の平均給与460万円とほぼ同水準であることから、グラフィックデザイナーの平均年収が特段低いわけではないことがわかります。

以下は契約形態別の年収相場です。

＜求められるスキル＞

• PhotoshopやIllustratorなどのツール操作
• レイアウトやタイポグラフィなど基本的なデザインスキル
• 印刷媒体に適したデザイン制作スキル
• ニーズをビジュアルに落とし込む提案力

グラフィックデザインは、業務内容が定型化しやすく、報酬も安定していますが、Webデザインと共通のツールを使うこともあり、バナー作成やLP制作を請け負うデザイナーも少なくありません。

また、経験を積んでいるデザイナーは年収600万円以上の価値と実力をもっている人も存在します。

企業がグラフィックデザイナーを採用するときは、デザインスキル以外に得意分野や自走力などを加味することで、報酬の妥当性を判断しやすくなります。

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DTPデザイナー

DTPデザイナーは、チラシやパンフレットなど印刷媒体のデザインから入稿データの作成までを担う専門職です。平均年収は409万円です。以下に雇用形態ごとの年収相場をまとめました。

DTPデザイナーの業務は、ルールや仕様に沿った制作なデザインスキルが求められます。経験を積んでいるデザイナーはディレクション業務も担いますが、報酬は上がります。

＜求められるスキル＞

• InDesign、Photoshop、Illustratorなどのツール操作
• 印刷知識と入稿対応スキル
• 紙面レイアウト設計
• 印刷スケジュール管理

DTPデザイナーは電子カタログ制作などにも対応が可能です。企業がDTPデザイナーを採用するときは、オペレーションスキルにくわえて、校正やディレクション対応、他職種とのコミュニケーション力なども評価することで、適切な報酬を検討しやすくなります。

関連記事：グラフィックデザイナーとDTPデザイナーの違いとは？

Webデザイナー

Webデザイナーは、企業のホームページやLP制作、バナー作成などWeb媒体のデザインを担当します。フレームワークからデザイン制作、コーディングまで対応できる人材もおり、平均年収は465万円です。契約形態別の年収相場は以下のとおりです。

Webデザイナーはインターネットの普及によりデジタル媒体が増えたことで需要も高まっています。企業によってはブランディングなどを任せるケースもあるため、年収800万円を超えることもあります。

＜求められるスキル＞

• Photoshop、FigmaなどのUI設計ツール
• HTML/CSSなどのコーディングスキル
• SEOやユーザー動線を意識したページ設計力
• 改善提案やクライアント対応などのスキル

Webデザイナーを採用するときは、目的を達成するためのデザインを制作できるかを軸に評価することで、適正な報酬を設定しやすくなります。

関連記事：Webデザイナーの種類とは？依頼目的ごとのおすすめを紹介

UIデザイナー

UIデザイナーは、WebサイトやアプリケーションなどのUIデザインを専門とするデザイナーです。配色や余白などを考慮し、ユーザーが直感的に操作しやすい画面をデザインします。平均年収は648万円と他デザイナー職よりも高めです。雇用形態別の年収相場の目安は以下のようになります。

UIデザイナーの年収は、日本の平均年収を大幅に上回っていることがわかります。新人のUIデザイナーは300万円台前半からスタートすることが多く、給与幅は350万円から1,000万円と幅広いものの、全体的にグラフィックデザイナーやWebデザイナーより高水準です。

高年収である背景として、Webやアプリの制作でUI設計がユーザーの満足度に大きく影響するため、UIデザイナーの需要が高いことがあげられます。プロダクト全体の価値に直結するため、年収800万〜900万円の報酬を設定する企業も少なくありません。

＜求められるスキル＞

• Figma、XDなどUI設計ツールの操作スキル
• レスポンシブ対応
• 情報整理・構造化
• エンジニアとの連携力
• デザインガイドラインの理解

UIデザイナーを採用するときは、見た目のデザインだけではなく、情報設計や開発連携を意識した設計力があるかを確認することで成果につながる適正な報酬を判断することが可能です。

関連記事：UIデザイナーとは？ 仕事内容やスキルについても解説
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UXデザイナー

UXデザイナーは、プロダクトにおけるUX全体を設計する職種です。画面のデザインだけではなく、ユーザーの行動や心理を踏まえた課題発見、導線設計、改善提案など上流工程を担う職種です。

UXデザイナーの平均年収は671万円と、日本の平均年収よりも高い傾向があります。 

フリーランスのほうが正社員のUXデザイナーより若干相場が低めです。しかし、フリーランスの場合、プロジェクト単位で請け負うため、年収800万円だと月単価約66万円と決して低くはありません。また、新人のUXデザイナーの年収は350～400万円と、全体的に高水準であることが特徴です。

＜求められるスキル＞

• ユーザーリサーチ
• ペルソナ、カスタマージャーニーマップの作成
• 情報設計、導線設計、要件整理
• 他部門との横断的な連携スキル
• サービスデザイン、プロトタイピングなど改善スキル

UXデザインはSaaS系企業などで需要が高まりつつあり、年収1,000万円以上で募集する企業もあります。幅広く高いスキルを持つUXデザイナーを採用するには、それなりの報酬を検討しなければなりません。

関連記事：UXデザイナーとは？ 仕事内容やスキルについても解説

ゲーム・3DCGデザイナー

ゲーム・3DCGデザイナーは、ゲーム・映像・広告・建築などの分野において、立体的な表現やモーションなどを用いてビジュアルを制作する専門職です。ゲームや映像の世界観に深く関わるデザインを制作するため、需要が高まりつつあります。

ゲームデザイナーの平均年収は400〜500万円が相場です。雇用形態別だと以下のようになります。

給与幅は300〜900万円台と幅広くなっており、新人のゲームデザイナーは年収300〜400万円からスタートすることが多いようです。スキルによる年収差が大きく、勤務先によっては1,000万円以上の高収入となっています。

＜求められるスキル＞

• Maya、3dsMaxなど3DCGソフト操作スキル
• モデリングやアニメーションなど背景制作
• 3DCGの制作工程の理解
• ゲームエンジンとの連携スキル
• チーム開発における柔軟性

ゲーム・3DCGデザイナーは専門性が高いため、クリエイティブなデザイナーのなかでは報酬が高めです。単にビジュアルを制作するだけではなく、世界観の理解力やUI/UXとの聖合成、技術的制約の下での表現力など、スキル以上の総合力が重視されることが多くあります。

企業がゲーム・3DCGデザイナーを採用するときは、ポートフォリオの完成度やプロジェクト規模の経験などをもとに、見合った報酬を判断してください。

関連記事：ゲームデザイナーとは？採用できるサービスまで解説

フリーランスデザイナーを活用するメリット

デザイナーの年収は職種やスキルに応じて大きく幅があります。企業が適切な報酬を設定するには、正社員採用だけではなく、外部人材の活用も検討することが大切です。

近年はフリーランスデザイナーへの業務委託が増えています。ここでは、企業がフリーランスデザイナーを活用する際のおもなメリットを解説します。

契約条件を柔軟に設計できる

フリーランスデザイナーとの業務委託契約では、業務内容・稼働日数・契約期間などを自由に設定できます。そのため、単発の依頼や週3日だけプロジェクトに参画してほしいといった要望にも対応が可能です。

たとえば「新サービスを立ち上げるときだけフリーランスに依頼したい」「体制を整えるまで入ってほしい」といった要望にも対応できます。報酬も依頼範囲にあわせて調整できるため、目的に合わせて最適なリソースを確保することが可能です。

関連記事：週3日勤務のWebデザイナーを採用する方法【雇用形態別】

プロジェクトに適した人材を確保できる

フリーランスは特定の分野に強みをもって活動している人が多いため、ポートフォリオや過去の案件を通じて、スキルを事前に確認することが可能です。とくに社内にノウハウがない領域や、新規事業の立ち上げ、ブランディングなど明確な成果物が求められるときに、そのスキルをもつフリーランスを選んで採用できるのは大きなメリットといえます。

難易度が低い案件なら、実務経験が浅いデザイナーにも依頼できるため、案件にあわせたリソース配分と報酬の設定が可能です。

関連記事：即戦力即戦力のデザイナーを採用するには？探し方とおすすめサービス5選

ハイスキルフリーランスへ依頼できる

フリーランスデザイナーは正社員として経験を積んでから独立した人も多くいます。たとえば、UXデザインやSaaS製品のプロダクトのUIデザインなど、専門性が高く市場価値も高い領域で活躍するフリーランスデザイナーもいるのです。こうした人材は報酬相場が高いですが、フリーランスのため、案件ベースで協力を仰ぐことができます。

予算や案件の内容にあわせて、適正な報酬を提示することで求める成果物を手に入れることが可能です。

特定のスキルをもつ人材を採用する方法として「ジョブ型」が注目を浴びつつあります。専門的な業務をフリーランスデザイナーへまかせることで、従業員にはコア業務に注力でき、生産性の向上につなげることが可能です。

以下でジョブ型雇用についてくわしく解説しています。無料でダウンロードできますのでぜひお役立てください。

【お役立ち資料】
はじめての人のためのジョブ型導入ガイド

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フリーランスデザイナーへの外注はエージェントを利用しよう

フリーランスデザイナーへ外注するときに、そのスキルを適正に評価するにはそれなりの知識が必要です。報酬や条件交渉に不安があるときにおすすめなのが、フリーランスデザイナーに特化したエージェントサービスの活用です。

ここでは、企業がエージェントを利用するメリットについて解説します。

求めるスキルをもつ人材とのマッチング

エージェントは、企業と登録デザイナーをマッチングするために双方にていねいなヒアリングを実施します。とくにデザイナー採用の場合、ビジュアルだけではなく、使用ツールや得意領域、業界知識などが成果物の品質につながるため、適正な判断が必要です。

経験豊富なエージェントなら、過去の紹介事例を踏まえて、適正な報酬を提案してくれます。予算にあわせた人材の提案もできるため、初めてフリーランスを起用する企業にとって安心感があるでしょう。

エージェントとのヒアリング前に、ジョブディスクリプションを作成しておくとスムーズです。以下より初めての方でもジョブディスクリプションを作成できるテンプレートを無料で配布しています。

【お役立ち資料】
ジョブディスクリプション作成ガイド

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報酬など条件交渉を代行してくれる

フリーランスデザイナーとは原則、業務委託契約を結びます。業務委託契約には、報酬の金額や稼働日数、納期、契約期間、知的財産権の扱い方など双方の条件調整が必須です。事前知識がない場合、この交渉に時間を要する可能性もあります。

エージェントが代行することで、トラブルのリスクを抑えつつ、スムーズに契約を結ぶことができるのです。企業にとっても相場を把握しているエージェントが仲介することで、妥当な報酬設定を行いやすくなるメリットがあります。

以下の資料では、業務委託契約書を自社で作成するときに役立つテンプレートをダウンロードいただけます。ぜひお役立てください。

【お役立ち資料】
【ポイント解説付き】業務委託に必要な4つの契約書テンプレート

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双方合意で正社員転換もできる

エージェントサービスでは、企業とフリーランスデザイナーの双方の合意があれば正社員として登用することも可能です。業務委託契約期間を試用期間として、チームとのコミュニケーションなどカルチャーフィットを確かめる期間として活用するのです。

インターンシップやアルバイトでもスキルを確かめることはできますが、まかせられる範囲が決まっています。外注なら実践的なスキルをチェックすることが可能です。中長期的なチームづくりにも役立てることができます。

求める人材を確保するには、綿密な計画が欠かせません。以下の資料では、採用難易度の高いデザイナー採用に役立つ採用計画作成マニュアルを無料でダウンロードいただけます。

【お役立ち資料】
採用計画作成マニュアル

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スキルと実績のあるフリーランスデザイナーに依頼するならクロスデザイナーにおまかせください

本記事では、デザイナーの年収について、さまざまな角度から紹介しました。

専門性が高くスキルや実績のあるデザイナーを迎えたいのであれば、デザイナーの年収事情を把握したうえで、スキルや経験、実績などを評価したうえで適正な報酬を設定することが大切です。自社で評価がむずかしいときは、エージェントの活用をおすすめします。

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