
Webデザイナーの人数も需要も増加しているなかで、企業が本当に優秀な人材を見極めるのは簡単ではありません。この記事では、Webデザイナー市場の現状や、企業が優秀なWebデザイナーを見極めるためのポイントを詳しく解説します。
Webデザイナーは多すぎると言われる理由
DX化によりWebデザインの需要は増加しており、Web業界の将来性は明るいと言えるでしょう。しかし、Webデザイナーとして働く人の数も増えており、スキルのバラつきが大きいため、企業は優秀な人材を見極めるのが難しいことが課題となっています。
企業が適切な採用戦略を立案するためには、Webデザイナー市場の現状や働き方について把握することが重要です。
Webデザイナーとして働いている人の数と有効求人倍率
Webデザイナーは増えすぎたのでしょうか?
参考値として有効求人倍率を見ていきましょう。有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示しており、労働市場の需給バランスを表す指標です。
厚生労働省の統計結果によると、Webデザイナーとして働いている人の人数と有効求人倍率は以下のようになっています。
就業者数 (出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成) | 有効求人倍率 (出典:令和5年度ハローワーク求人統計データ) | |
全国 | 201,100人 | 0.12倍 |
東京都 | 60,000人 | 0.14倍 |
出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag:Webデザイナー」
上記の結果から、全国的にWebデザイナーの求人数に対して求職者数が多いことが分かります。
就業者数を地域別に見ると、東京都が最も多く、全国のおよそ3割を占めています。
一方、多くの企業が集積しWebデザインの需要が高い東京都でも、有効求人倍率は全国とさほど変わらず、求人数に対して求職者数が多い状況です。
東京労働局が発表した2025年3月の東京都の有効求人倍率が1.76倍であることからも、Webデザイナーは増えすぎた・多すぎるとも言えるでしょう。
Webデザイナーは社員よりフリーランスが多い
同じ厚生労働省の統計結果で、Webデザイナーの就業形態は、社員よりフリーランスが多いことがわかっています。
出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag:Webデザイナー」
このことからWebデザイナーの人数が増えすぎた結果、有効求人倍率は上記のような数値になっているとしても、優秀な人材はフリーランスとして活躍していることが想定されます。
そのため、Webデザイナーの社員採用でスキルの見極めが難しい場合は、フリーランスを活用するのもひとつの手です。
Webデザイナーをはじめフリーランスは専門性を活かして働く人が多く、スキルや実績を判断しやすい面があります。
また、即効性のある人材不足の解消法としても、フリーランスへの外注は有効です。
以下の資料では、各採用形態のメリット・デメリットを比較して解説しています。“これからの時代”に合わせた採用を行っていきたい方は、無料でダウンロードできますのでぜひご活用ください。

関連記事:Webデザインの費用/料金相場は? 制作会社とフリーランスどちらに依頼すべきかも解説
優秀で将来性のあるWebデザイナーの定義
AIの進化によりWeb制作においても簡単なデザイン作業は自動化されつつあります。
そのため、これからのWebデザイナーに求められる能力やスキルは以下のように変化しています。
- Webデザイン力
- AIデザイン生成ツールを活用するスキル
- ディレクション能力
- コミュニケーション能力
- マーケティングやUX視点
デザインができることはもちろん、ユーザーの視点に立ち、企業のビジョンに貢献できるスキルを持つ人材こそが、これからの時代に求められる優秀なWebデザイナーといえます。
それぞれ詳しく説明します。
Webデザイン力が高い
これからのWebデザイナーには独自性や創造性を発揮し、ブランドのアイデンティティを表現する力が必要です。
配色やレイアウト、タイポグラフィに精通し、視覚的な美しさだけでなく、デザインによる情報伝達力の向上も欠かせません。
また、最新のデザイントレンドを把握し、ターゲットと目的に合ったデザインを構築するスキルも求められます。
AIデザイン生成ツールを活用するスキルがある
企業がWebデザインの制作にAIを導入する場合、AIを活用できるデザイナーに依頼する方法は、最も有効で成果が期待できる手段のひとつです。
例えば、画像生成AIやレイアウト作成ツールを使うことで、作業効率を向上させつつ、高品質なデザインをスピーディーに作成できます。
これにより、デザインの品質やブランドのアイデンティティを保ちつつ、デザインにかかるコスト削減や作業の効率化を図ることができ、社内にAI活用のノウハウを蓄積することも可能です。
関連記事:デザインツールの種類とは?最新トレンドや案件獲得におすすめのツールを紹介
ディレクション能力がある
Webデザイナーはクライアントの要望を的確に理解し、具体的なデザインへ落とし込む必要があります。
その際、スケジュール管理やコスト管理を意識しながら、効率的な制作プロセスを確立することが、優秀なWebデザイナーの条件となります。
また、エンジニアやマーケターとの連携も不可欠であり、各専門分野の知識を持ちながら、デザインの観点から的確な指示を出せる人材が理想的です。
そのため、チームをまとめ、要件を整理し、最適なデザインを実現するためのディレクション能力が、今後より重視されるでしょう。
同じ厚生労働省の調査で、Webディレクターの就業者数はWebデザイナーより多いにも関わらず有効求人倍率は高いことから、ディレクション能力のある人材はニーズが高いことわかります。
就業者数 (出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成) | 有効求人倍率 (出典:令和5年度ハローワーク求人統計データ) | |
全国 | 309,100人 | 0.56倍 |
東京都 | 75,840人 | 0.6倍 |
出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag:Webディレクター」
コミュニケーション能力が高い
AI活用が進むほど、人間同士の意思疎通がデザインの質に大きな影響を与えます。
そのためクライアントやチームと円滑に情報を共有し、相手の意図を正確にくみ取るコミュニケーション能力が必要です。
また、フィードバックを的確に受け入れ、柔軟にデザインを調整できる姿勢も求められます。
マーケティングやUX視点を持っている
デザインはユーザーの行動や心理を考慮することが重要です。マーケティングやUX視点を取り入れながら、効果的なWebデザインを構築することが、プロジェクトの成功につながります。
例えば、CV(コンバージョン)率を向上させるために、ボタンの配置や視線誘導を最適化することが重要です。また、ユーザーがストレスなく目的の情報にたどり着けるよう、ナビゲーション設計を工夫することも求められます。加えて、SEO対策やブランド戦略の観点から、デザインがビジネスの成果に貢献できるようなアプローチを取ることが、将来性のあるデザイナーの条件となるでしょう。
同じ厚生労働省の調査で、UI/UXデザイナーの就業者数と有効求人倍率は以下のとおりです。
WebデザイナーやWebディレクターより就業者数が多いにも関わらず、求職者数より求人数の方が多く人材が足りていない状況です。そのため獲得競争が激しいことがわかります。
就業者数 (出典:令和2年国勢調査の結果を加工して作成) | 有効求人倍率 (出典:令和5年度ハローワーク求人統計データ) | |
全国 | 389,760人 | 3.64倍 |
東京都 | 102,380人 | 8.45倍 |
出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag:UX/UIデザイナー」
関連記事:Webデザイナーの種類とは?依頼目的ごとのおすすめを紹介
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優秀なWebデザイナーを見極めるためのポイント3つ
従来の「Webデザインがうまい人」ではなく、前章で挙げたスキルを持ち「企業に貢献できる人材」を見極めるためのポイントは以下の3つです。
- ポートフォリオの評価基準を明確にする
- 技術スキルのチェック方法を設定する
- ソフトスキルの傾向を測定する
企業が優秀なWebデザイナーを採用するためには、ポートフォリオの評価基準を明確にし、技術的なスキルとソフトスキルの両方をチェックすることが重要です。
それぞれ詳しく説明します。
1.ポートフォリオの評価基準を明確にする
Webデザイナーを採用する際、ポートフォリオの評価は最も重要なポイントの1つです。
そのため事前に評価基準を明確にしておきましょう。
ポートフォリオ審査では以下の7つの要素を評価します。
- 掲載作品のクオリティ
- ポートフォリオの完成度
- スキル・得意分野
- 自社とのマッチ度
- デザイン思考力
- コミュニケーション力
- UI/UXデザインのスキル
掲載作品をみるときは、クオリティだけではなく、ポートフォリオの完成度や、スキル・得意分野もチェックする必要があります。
自社とのマッチ度を判断するためには、採用後の活躍をイメージできるような作品があるか、方向性を見極めることがポイントです。
デザイン思考力は作品解説の構成に注目し、問題解決のプロセスが作品に反映されているかをチェックしましょう。
コミュニケーション力はポートフォリオをもとにした質問に対する受け答えから判断します。そのため事前にポートフォリオを読み込んで、質問項目を設定しておくことが大切です。
UI/UXデザインのスキルは、ユーザーの視認性や操作性を考慮したデザインになっているかを評価します。
これらの観点を総合的に評価することで、優れたデザイナーを見極めることが可能です。
関連記事:ポートフォリオの採用基準とは?効率的に評価するためポイント6つを解説
関連記事:ポートフォリオの意味や役割、評価ポイントをわかりやすく解説
2.技術スキルのチェック方法を設定する
Webデザイナーの技術スキルを正しく評価するには、事前に具体的なチェック項目を設定します。
また、WEBデザインを行う際に意識している流れや、発注者側が意図しているものを汲み取るために、デザイナーがどんな動きをとっているかを示唆的に質問することも重要です。
コーディング能力では、HTML、CSS、JavaScriptを用いた設計が適切か、コードの可読性や保守性を考慮しているかを確認します。
UI/UXの理解度を測る質問では、「ターゲットユーザーは誰か?」「ユーザーの操作負担を軽減するためにどんな工夫をしたか?」といった問いを投げかけ、デザイン思考のスキルを測ると良いでしょう。
デザインツールの活用スキルは、FigmaやAdobe XDをどのように使用し、クライアントの要望を形にするプロセスを説明できるかがポイントです。
関連記事:Webデザイナーのスキルマップとは?基本から上級スキルまで紹介
3.ソフトスキルの傾向を測定する
Webデザイナーには技術的なスキルだけでなく、チームとの協力し柔軟に対応するソフトスキルも求められます。
チームとの連携力の評価では、過去のプロジェクトにおいてどのように他のメンバーとコミュニケーションを取っていたかを確認します。
「意見の対立があった場合、どのように解決したか?」などの質問を通じて、協調性や適応力を見極めることが有効です。
問題解決能力と柔軟性については、予期せぬデザイン変更やクライアントからの突然の要望に対して、どのような対応をしていたかを確認します。
「短期間で修正が必要になった場合、どのような工夫をしたか?」など、実際の業務に即した質問を用いてテストすることで、実践的な適性を判断できます。
これらの評価を通じて、デザイナーが円滑なプロジェクト運営に貢献できるかを見極めまししょう。
関連記事:デザイナーを評価する際の項目と方法|定性的になりがちな人事制度の見直し方を解説
フリーランスの優秀なWebデザイナーに依頼するならクロスデザイナーがおすすめ
本記事では、Webデザイナー市場の現状や、企業が優秀なWebデザイナーを見極めるためのポイントを詳しく解説しました。
AIの進化によりWeb制作においても簡単なデザイン作業は自動化されつつあります。そのため、これからのWebデザイナーにはデザイン力だけでなく、AIデザインツールを活用するスキル、ディレクション能力、コミュニケーション能力、マーケティングやUX視点が求められます。
従来の「Webデザインがうまい人」ではなく、上記で挙げたスキルを持ち「企業に貢献できる人材」を採用するには、エージェント(人材紹介会社)の活用がおすすめです。
プロのエージェントに依頼すれば、即戦力となるWebデザイナー迅速に採用することができます。また、条件交渉や契約手続きを代行してくれるため、採用担当者の負担や工数を抑制できる可能性があります。
その際、デザインの知識やスキル、費用相場について熟知した、実績と信頼のあるフリーランス専門のエージェントサービスに依頼すれば、業界に詳しく安心して任せられるでしょう。
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