UXデザインに欠かせないペルソナ設計の方法は? 注意点や活用方法も解説 | フリーランス・業務委託採用|クロスデザイナー

UXデザインに欠かせないペルソナ設計の方法は? 注意点や活用方法も解説

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UXデザインはユーザーによりよい体験を提供するための戦略のひとつです。UXデザインではペルソナが重要な役割をもっています。

しかし、ペルソナを設計するにしても

「年齢や性別を決めるだけじゃダメなの?」
「具体的なペルソナの設計方法がわからない」

と、どうやって作ればよいのかわからない人もいるでしょう。

そこで本記事では、UXデザインを見直したい方に向けて

・ペルソナを設計するメリット
・ペルソナの設計方法
・ペルソナを設計するポイント

について解説します。

ペルソナはあらゆるマーケティング活動の基軸となるため、事例として詳細を公開している企業はほぼありません。より良いユーザー体験を提供するために、ペルソナの設計方法を知りたい方はぜひお役立てください。

UXデザインにおけるペルソナとは?

ペルソナは、自社のプロダクトを使用する架空の人物像を指します。ペルソナを作ることで、どのようにプロダクトを使用するのか、イメージしながら制作を進めることができます。ユーザーのニーズに寄り添ったプロダクトを提供できることで、ユーザーの満足度が向上し、より良いUXの提供が可能となります。

UXデザインにおけるペルソナは、「プロダクトの設計や改善をリアルなユーザー視点に基づいて実行するための判断軸」として機能することで真価を発揮します。

例えば、ユーザーの属性にあわせたコンテンツを提供するために活用することがあります。年齢や性別、趣味などで好まれる情報は異なるものです。情報の取捨選択を行う判断基準としてペルソナを活用することで、企業の一方的な発信ではなくユーザーに最適な情報を提供できます。

ターゲットとの違い

ペルソナと混同しやすい言葉に「ターゲット」があります。ペルソナは架空の人物像ですが、ターゲットは実在する集団を指しており、それぞれ定義は異なるものです。

ターゲット

プロダクトを利用する実在する集団

ペルソナ

プロダクトを利用する具体的な人物像

ターゲットのなかにペルソナが存在するのではありません。ターゲットはペルソナよりも対象範囲が広く、多くの人が該当する要素で分けられたグループです。マーケティング戦略でターゲットが使用されるのは、広告や販促活動が一般的です。

ペルソナはそこからさらに深堀りをして、個人のニーズに寄り添ったプロダクトの開発や改善を行います。そのため、精度が高いマーケティング戦略を立てられることもターゲットとの違いです。

ペルソナを設計するメリット3つ

ペルソナを設計することでユーザーのニーズを深く理解できるメリットがあります。さらにプロジェクトチームで共通の認識をもてるため、効果的なマーケティング戦略が考えやすくなるのです。ペルソナを設定することで得られる3つのメリットについて解説しましょう。

1. ユーザーニーズを正確に理解できる

Webサイトの売上向上が目標の場合、集客率を上げることを考える人が多いでしょう。しかし、万人受けするプロダクトを作るのは、なかなか難しいものです。

ペルソナを設計することで、特定のユーザーにフォーカスできます。行動やニーズを正確に理解できるため、ユーザー視点で具体的な戦略を立てることが可能です。こうして完成したプロダクトは、結果的に想定ターゲット層に属する多くのユーザーにとっても使いやすいプロダクトとなるため、より良いUXの提供が可能となります。

2. チームの共通認識ができる

プロジェクトではデザイン以外にも、コンテンツ制作やシステム開発など多くの人がかかわります。ペルソナが設計されていないと、どんなユーザーに向けて制作すべきか、明確な判断基準がないためチームごとに方向性が定まらず、プロジェクトを思うように進めることができません。

ペルソナを設定することで、具体的なユーザーをイメージしながらプロジェクトを進めることができます。進行中にチーム内で意見の食い違いなどのトラブルが発生しても、ペルソナがあればスムーズに認識のすり合わせを行い、再び一丸となって進行させることが可能です。

3. マーケティング活動の活性化につながる

UXデザインはWebデザイン以外にもWebサイト構築やシステム開発なども包括して設計するものであり、複数のチームでプロジェクトを進行している場合、ペルソナは欠かせません。

ペルソナはアプローチする人物像が明確であるため、チームで共通認識をもちながら効果的なマーケティング戦略を立てることができます。複数部署や担当者を横断しても、一貫性をもって進められるためマーケティング活動の活性化につなげることが可能です。

UXデザインにおけるペルソナの設計方法5ステップ

ペルソナはあらゆるマーケティング戦略において欠かせないものだとわかりました。では具体的にUXデザインに活用できるペルソナはどのように作ればよいのでしょうか。ペルソナを設計する方法を解説します。

1. 自社分析で「強み」や市場のポジションを把握

ペルソナを設定する前に、自社について理解を深めることが大切です。自社分析には「Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)」を分析する3C分析が効果的です。3C分析により自社の強みや弱み、市場のポジションを把握できます。競合相手も明確になるため、効果的な戦略を立てることが可能です。

既存ユーザーに取ったアンケートや、カスタマーセンターに寄せられたユーザーからの声も参考にしましょう。

2. 既存ユーザーの行動を調査

次に、既存ユーザーがWebサイトへアクセスしてきたときにどのような行動をとっているのかを調査します。Webサイトの調査にはGoogleアナリティクスなどのWebツールが便利です。Webサイトを訪れたユーザーがどこを熟読しているのか、強く興味を示しているコンテンツなどを把握できます。

アクセス数の多いコンテンツやユーザーの行動ログなどから、具体的なユーザー像をイメージしていきます。Webツールにはさまざまなものがあり、動画やメルマガなどコンテンツに応じたツールがあります。自社の展開している媒体に応じて導入を検討してもよいでしょう。

3. 定性・定量調査でニーズを把握

ペルソナを設定するときは、より具体的な人物像を描けるように既存ユーザーのデータを参考にします。活用するデータは定性調査と定量調査で収集が可能です。定性・定量調査とは以下のようなものがあげられます。

定性調査

数値化できない情報

(インタビュー、グループディスカッション、行動観察など)

定量調査

数値化できる情報

(アンケート、Webツールから得られたデータ情報)

定性調査では対象者の深層心理や背景など、潜在意識を把握できます。定量調査では数字が事実をあらわしているため、一定の信頼性をもった調査結果を得ることが可能です。さらに分析結果はグラフや表で可視化できるため、チームで共有がしやすいメリットも。ただし、アンケートの場合、設問によっては思うような結果が得られないため、慎重な検討が大切です。

関連記事:UXリサーチとは? 具体的な手法やポイントを解説

4. フレームワークを活用してターゲットを決める

調査したデータや情報をもとに、ペルソナの大枠となるターゲットを決めます。ターゲットを決めるときに役立つのがフレームワークです。マーケティング戦略で使われている代表的なフレームワーク「STP分析」は以下の3つのステップで構成されています。

Segmentation(セグメンテーション)

市場をカテゴリ別にグループ化していく

Targeting(ターゲティング)

グループのなかからターゲットを選定する

Positioning(ポジショニング)

競合との優位性を明確にして差別化戦略を立てる

ターゲットを決めるには、市場のグループ分けから始めます。ユーザー視点を意識しながら、プロダクトの利用経験や購入頻度など切り口を変えて分けましょう。

5. ペルソナを詳細まで作りこむ

ターゲットを決めたら、具体的な人物像をイメージできるように各要素を加えてペルソナを作りこんでいきます。プロダクトが個人向けか、企業向けかで用いる変数が異なりますが、個人向けのときは以下の変数を使用します。

地理的変数

国/地域/文化/人口密度/気候など

人口動態変数

性別/年齢/職業/など

心理的変数

価値観/ライフスタイル/性格など

行動変数

購買活動や使用頻度など

年齢や性別以外に「休日はジョギングへ行く」「月曜の朝は駅前のショップでコーヒーをテイクアウトする」など、こんなことまで?と思うような要素も盛り込むと、顔まで想像できるようなペルソナを作れます。

定性・定量調査の結果も用いて、より詳細な情報を盛り込んで人物像を絞りこんでいきましょう。

ペルソナを設計するときの注意点3つ

ペルソナの設計を誤ると、効果的なマーケティング施策は行えません。もちろんUXデザインにおいても、ユーザーのニーズが正確にくみ取れなくなるため、満足度につながることはないでしょう。誤ったペルソナを設計しないように、気をつけてほしい注意点を3つ紹介します。

1. 各調査・分析は入念に行う

ペルソナは具体的な人物像を設定していきます。「28歳の女性で……」とイメージを考えるのは楽ですが、ユーザーの行動を喚起するデザインを作るには、年齢や性別、居住地、趣味など具体的で詳細な情報の設定が必要です。詳細な情報を盛り込むためには、アンケートやWebツールから得た結果が重要になります。

調査や分析の段階で方針がずれていたり、ニーズをくみ取れていなかったりすると、実際のユーザーからかけ離れたペルソナになるおそれがあります。誤ったペルソナでは効果的なマーケティング施策は行えません。調査や分析は工数がかさむため、面倒だと感じる方も多いと思いますが、ていねいに行いましょう。

2. 複数人で設計する

ペルソナの設計は担当者1人で考えると、担当者のイメージに偏ったペルソナが作られるリスクがあるため、設計するときは各役割の担当者を決めて複数人で作業を行います。必ず決裁者となるプロジェクトマネージャーも設計フローに関与させることを忘れないでください。

プロジェクトマネージャーは各担当者から提示された調査結果や情報などを整理して、ペルソナの設計に関する方針を決める役割をもっています。決裁者がいなければ、せっかく出た貴重な要素もただの机上の空論となり、現実味のないペルソナとなってしまうためです。

3. 定期的にアップデートする

ペルソナは一度設計したら終わりではありません。市場や顧客は時代や状況に応じて変化するため、ペルソナもあわせてアップデートが必要です。アップデートを行うタイミングは、明確な状況の変化があったら即行うべきですが、季節の変わり目は市場が変化しやすいため、目安のひとつとして覚えておくとよいでしょう。

しかし、競合が多いプロダクトの場合、迅速な対応が求められます。ふだんからWebツールを使用して市場を調査したり、定期的に既存ユーザーに向けてアンケート調査を実施するなど、市場や顧客を調査して新しい状況を把握しておくことが大切です。

UXデザインにおけるペルソナの活用方法3選

時間をかけて作成したペルソナをどのように活用すればよいのか、活用方法について解説します。

1. カスタマージャーニーマップでペルソナの行動を予測

UXデザインはより良いユーザー体験を提供するために必要なものです。ユーザーがどのような行動をするのか事前に把握できていれば、迷いなくユーザーを導くことができます。

そこで役に立つのがフレームワーク「カスタマージャーニーマップ」です。ユーザーがプロダクトを見つける前から、実際に購入・利用するまでの旅(ジャーニー)を可視化したものになります。

ペルソナがどのように行動するのか、事前に予測が可能です。ユーザーにあわせて購入ボタンなども適切な位置に設置できます。既存サイトの見直しはもちろん、新規サイトの立ち上げにも役立つフレームワークなので、ぜひ活用してみてください。

関連記事:カスタマージャーニーマップとは?作り方と4ステップを紹介

2. ペルソナに寄り添った情報を提供

ペルソナのニーズにあわせた情報を提供することで、ユーザーの満足度を高められます。ペルソナをしっかり理解していれば、「多分こんな情報を提供したら喜ぶだろう」といった直感的なイメージではなく、ペルソナを設計するときに収集した定量・定性的なデータにもとづいた情報の制作および提供が可能です。

ユーザーがさらに満足感を得るような有益なコンテンツを定期的に配信し続けるように努めましょう。良質なコンテンツが豊富なWebサイトは、検索エンジンからも評価されやすく、アクセス流入も見込めます。

3. Webサイトの導線改善

良質なコンテンツでアクセス数を集めることができても、目的を達成できなければユーザーからは「使いにくい」と判断されてしまいます。Webサイトにアクセスしてくれたユーザーがプロダクトの購入や利用など、CVに至るまでの導線の改善が大切です。

ペルソナが用意されていれば、ユーザーがサイト内のどのページでどんな行動をとるのか具体的に想定することができ、Webサイトの導線設計や見直しに役立ちます。しかし、ペルソナに沿ってデザインを変えたのに、効果が得られないことも。そのような場合はボタンの位置やコピーを変更した2パターンのプロトタイプを作成し、ABテストでどちらがユーザーにとって有益なページかどうか効果検証を行いましょう。

関連記事:ABテストとは? サイト改善に導く方法とおすすめツールを解説!

導線はペルソナと同じように、時代や状況によって変化するため、定期的に効果検証を実施することが大切です。より良いUXを提供し続けるWebサイトを目指しましょう。

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本記事では、UXデザインにおけるペルソナの設計方法について解説をしました。ペルソナを設計することで、デザインの方向性が定まり、ニーズに沿ったデザインを制作できます。

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吉永 ゆくら
記事を書いた人
吉永 ゆくら

デザイン系の専門学校でグラフィックデザインを学ぶ。デザイン事務所に就職後、縫製業と企業の専属ライターを経てフリーランスに。デザイン・縫製・Webとものづくりの楽しさとやりがいを仕事を通して感じています。現在はオウンドメディアのコンテンツ制作を中心に活動中。