カスタマージャーニーマップの作り方4ステップ|作成するメリットや注意点、成功事例も紹介 | フリーランス・業務委託採用|クロスデザイナー

カスタマージャーニーマップの作り方4ステップ|作成するメリットや注意点、成功事例も紹介

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カスタマージャーニーマップとは、自社の商品・サービスを顧客が購入するまでのプロセスを顧客の行動パターン、思考や感情も踏まえて分析するものです。

顧客理解が深まるため、近年では営業やマーケティング施策に活用されています。

しかし、顧客のカスタマージャーニーを分析し、活用できる企業は多くはありません。

そこで本記事では、カスタマージャーニーマップの作り方、進め方を紹介します。これからカスタマージャーニーマップを作成する方は、ぜひ参考にしてください。

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップとは、直訳すると「顧客の旅の地図」という意味になります。見込み客が日常生活を送るなかで、どのように企業の商品・サービスに出会い、それを実際に利用(購入)し、さまざまな体験をするまでのさまざまな旅路(プロセス)を、マップ(図)に落とし込んだものです。

ここでいう体験とは、ただその商品を利用しただけでなく、友人・知人に紹介したり、SNSで発信したりする、商品にまつわる一連の出来事を指します。

そうした「体験」を重ねていくことで、それまで見込み客だった「ユーザー」が、商品をリピート購入したり、知人に勧めたりする顧客に変わっていくのです。

ユーザーがカスタマー(顧客)になっていくまでの道筋(旅路)を、図や言葉で見える状態にすることで、それまでみえにくかった顧客の生活や感情、心理状態までもが把握しやすくなります。顧客の状態がみえてくることで、最適な状態・タイミングで、企業が接触し、購買につなげるための施策を考えられます。

カスタマージャーニーマップが注目されている理由

近年、インターネットとスマートフォンが普及したことで、誰でもインターネットを活用できるようになり、SNSによる影響力も大きくなっています。

そのため、ユーザーが企業に接触するポイントはより複雑化し、単一的な営業・マーケティングではなく、顧客の生活や心理状態も把握したマーケティングが求められるようになりました。その手法として、それらを可視化したカスタマージャーニーマップの活用が注目されています。

さらに最近では、UX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性が取り沙汰されるようになりました。UXとは「ユーザーが商品・サービスを通じて、どんな体験をするのか」ということです。

ユーザーが自社の商品を体験するほど、さらに情緒的価値を持つほどに商品の価値は高まります。SNSへの発信などが増え、他のユーザーにもつながっていくからです。

UXを考えることで、ユーザーの商品体験改善・向上につなげられれば、おのずと商品を利用する回数は増え、顧客の獲得・増加につなげることができます。そのためカスタマジャーニーマップは、新商品・サービスの立ち上げ、既存の商品・サービスや広告・Webサイトの構築、改善などにも活用されています。

カスタマージャーニーマップの作り方5ステップ

カスタマージャーニーは、次の5つのステップを踏むことで、どんな業界・業種においても必要な課題と効果的な施策がみえてきえます。

1. ペルソナを設定する
2. 顧客の行動・思考・感情・課題(縦軸)を設定する
3. 購入までのルート(横軸)を設定する
4. タッチポイントを設定する
5. マッピングする

詳しく解説していきます。

1. ペルソナ設定をする

ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用することを想定した具体的な人物像です。ユーザーから実際にインタビューする、あるいはアンケートで得られた要素をもとに、ペルソナを設定していきます。

ペルソナでは、

・ユーザーの名前
・年齢
・性別
・家族構成
・住居
・思考の傾向
・価値観
・行動状況

などを整理していきます。

どんなものを好み、生活のなかでどんなことを解決したいと思っているのかなど具体的かつ細かく設定していきましょう。

2. 縦軸(顧客の行動・思考・感情・課題)を設定する

カスタマージャーニーマップでは、各フェーズにおけるユーザーの行動や思考、感情、課題を把握することが非常に重要です。フェーズごとに整理することで、タッチポイントへの重要な施策が見えてきます。

縦軸の詳細は以下のとおりです。

・行動:ユーザーが実際にとる行動。
・思考:行動をする際に、ユーザーが考えること。
・感情:行動をしたユーザーが感じたこと。
・課題:行動した結果、ユーザーが抱いた不満や不足していた点。

たとえば、先述した空港の事例だと、下記のように縦軸は該当します。

【フェーズ】
遊び場所を探す

・行動:スマホで情報収集する
・思考、感情:カップルで楽しめるところが良い、ご飯も美味しいところが良い

このときスマホで調べてみた結果、「空港で遊ぶ」という選択肢がヒットしない場合は、空港で遊べる情報発信できていないという課題が見えてきます。

3. 横軸(購入までのルート)を設定する

カスタマージャーニーマップで非常に重要なのが、自社の商品・サービスの購入(利用)までのルートです。

たとえば、先述の食器棚メーカーの場合は「利用前」「利用中」「利用後」の3つのフェーズに分けました。

就職活動においては、「選考準備」「絞り込み」「選択」。空港利用者については「遊び場所を探す」「遊ぶ場所を決定」「遊ぶ場所に行く」「遊ぶ」の4つでした。

基本的には、自社の商品を「認知してもらう」「比較・検討する」「選んでもらう」「実際に購入する」の4つのフェーズに分けることができます。それぞれのフェーズにおいて必要な課題を抽出していくことで、戦略が明確化していきます。

4. タッチポイントを設定する

自社の商品に対する「認知」「比較・検討」「選択」「購入」へのそれぞれのフェーズにおける顧客とのタッチポイントは何なのかをリサーチに基づいて設定します。

タッチポイントは、テレビや新聞、雑誌といったマスメディア、自社のホームページやSNSなどのメディア、友人・知人からの紹介などが該当します。

各フェーズにおけるタッチポイントを考えると、こうした課題がみえてきます。

・認知の課題:Instagramを活用した認知拡大方法、SEOを通じた認知拡大方法など
・比較、検討、選択の課題:どのように自社商品やサービスを選んでもらうかなど
・購入の課題:Webサイト上で購入しやすいか、購入を後押しするキャンペーンなどがあるかなど

5. マッピングする

縦軸と横軸、タッチポイントにおける課題を書き出したら、それらをマップに落とし込んでいきます。

カスタマージャーニーマップを作成するメリット5つ

カスタマージャーニーマップを作成することで、次の5つのメリットが生まれます。

・ユーザー理解が深まり、満足度向上につながる
・顧客との接点を見つけやすくなる
・社内認識を共有しやすくなる
・課題の優先度を見極めやすくなる
・競合他社との差別化につながる

詳しく解説していきます。

1. ユーザー理解が深まり、満足度向上につながる

ユーザーが企業の商品を利用し、実際に顧客となっていくには、満足度を高めることが非常に重要です。満足度を高めるには、ユーザーへの理解が欠かせません。

ユーザーが何に困っていて、何を求めているのか、それはどんな状況なのか、それらを把握することで、適切なタイミングでユーザーの悩みを解決することにつながります。

たとえば、子育てをしている人がどんなことに困っていて、それはどんなときに出てくる悩みなのか、状況を整理すれば、悩みを解決する方法が見えやすくなります。

カスタマージャーニーマップではユーザーの悩みをフェーズごとに整理するので、ユーザー満足度向上を期待できるでしょう。

2. 顧客との接点を見つけやすくなる

ユーザーへの理解が深まると、ユーザーに商品や情報を提供する適切なタイミングが見えてきます。

たとえば、コーヒーを販売する店の場合、カスタマージャーニーマップで認知、比較、購入のフェーズに分ければ、購入できる店舗を用意する以外にも、SNSを使った認知拡大も手段であるとわかるでしょう。

このように、企業が商品の購入につながるまでの過程を整理できれば、企業とユーザーの接点が見えやすくなります。ユーザーとの接点ができれば、将来的に見込み客の商品購入となり、顧客を増やしていくことになるでしょう。

3. 社内認識を共有しやすくなる

カスタマージャーニーマップは、社内で意見を出し合いながら作り上げていきます。

1人ではなく関係者全員で作ることで、社内で何をすべきか、顧客に対してどう関わっていくべきか、認識を共有しながらスムーズに施策を走らせることができるでしょう。

4. 課題の優先度を見極めやすくなる

カスタマージャーニーマップは、時系列で課題や顧客接点を整理するため、時期に応じて社内で解決すべき課題の優先度を見極めやすくなります。

たとえば、コーヒーの定期便を販売している企業の認知度が低い場合、あらかじめカスタマージャーニーマップを作っておけば、「認知度拡大のためにリスティング広告をやるべきだ」と課題を見極められます。

課題の優先度を見極めやすくなれば、社内の部署連携もよりスムーズになり、コスト削減にもなるでしょう。

5. 競合他社との差別化につながる

カスタマージャーニーマップ作成により、自社がユーザーの問題解決のために必要な施策がわかり、ユーザーのニーズとその問題解決の方法を見極めていけば、自社の立ち位置が明確になります。

・どのようにユーザーの悩みを解決するか
・どこで勝負するのか
・自社の商品、サービスのアピールポイントは何か

などを明確にすることで、競合他社との差別化につなげることができます。

カスタマージャーニーマップを作成する際の注意点5つ

カスタマージャーニーマップを作成するうえで、注意したいのが次の5点です。

1. マップを作りこみすぎない
2. ペルソナ設定を正確に行う
3. 企業側の視点にならないようにする
4. マップ作成に当たってデータや情報の正確性を確認する
5. 定期的にマップをアップデートさせる

1. マップを作りこみすぎない

マップを作ること自体が目的ではありません。重要なのは、マップ作成を通じて課題を明らかにすることであって、マップ作成に力を入れ過ぎては本末転倒です。

2. ペルソナ設定を正確に行う

ペルソナがどんな行動をとって、どんな感情を持ち、彼らと接触するために何が必要なのかということをもとにマップを作成します。よって、ペルソナ設定を間違ってしまうと、マップの内容がずれてしまいます。

ペルソナ設定は正確に行いましょう。正確に設定するために、ユーザーインタビューやアンケートがおすすめです。

3. 企業側の視点にならないようにする

企業側の視点にならないことが重要です。カスタマージャーニーマップ作成で重要なことは、ユーザーにとって理想的な体験とは何かを考えることであって、企業にとって有利な顧客をつくりあげることではありません。

企業にとっての理想をつくりあげるのではなく、ユーザー視点での理想的な体験をしっかり考えていきましょう。

4. マップ作成にあたってデータや情報の正確性を確認する

ペルソナ設定で記載したように、マップ作成ではデータや情報の正確性が重要です。

ペルソナが商品を認知して、比較・検討し、購入するまでについて、実際のユーザーから得た情報をもとにマップを作成するようにしましょう。

5. 定期的にマップをアップデートさせる

マップは一度作って終わりではなく、日々アップデートさせることが重要です。ユーザーの状態は日々変わり、社会状況も変わっています。

Instagramで情報収集していたユーザーの過半数が、その手段をYouTubeに変えていくこともあります。その場合、認知に対する施策はInstagramではなく、YouTubeに変わり、その手法も変わってくるのです。

ユーザーの状況を知らずにアップデートしないまま、施策を進めていると、成果は得にくくなります。マップは定期的にアップデートしながら、現状の課題を探り、KPI設定をしていくことをおすすめします。

カスタマージャーニーマップを活用した成功事例3つ

カスタマージャーニーマップを通じて、実際にはどのようにしてユーザーの悩みを見つけ、解決方法を見出していくのかわからない方も多いでしょう。そこで、カスタマージャーニーマップを作成することで売上向上やそのための施策を見出した企業の事例を3つ紹介します。

1. コンバージョン率を199%アップさせた食器棚メーカー

▲現状のユーザー体験を落とし込んだカスタマージャーニーマップ(出典:株式会社リオ▲ユーザーにとって理想的な体験が描かれたカスタマージャーニーマップ(出典:株式会社リオ食器棚やテレビボードなどを手掛ける家具メーカー「株式会社パモウナ」では、Webサイトをリニューアルする際に、カスタマージャーニーマップをはじめとした戦略設計を用いたことで、コンバージョン(CV)率が199%アップしたという結果が出ています。

具体的には、サイトをリニューアル後にサイト全体のユーザー数が143%アップ、リピートユーザー数が136%アップ、カタログ請求数が199%アップしました。

マップ内では、家具を購入検討しているユーザーが、どこで自社の商品と出会い、どのような情報を必要としているのか、何が決め手で購入に至るのかをリサーチで明らかにしています。

参考:https://designalpha.jp/project/20211028/

2. Webサイトリニューアルに生かした就活支援会社

▲実際に作成したカスタマージャーニーマップ(出典:株式会社インプレス新卒採用向けWebサイトを運営する「パーソルキャリア株式会社」が、サイトをリニューアルする際に、就職活動中の学生と企業でカスタマージャーニーマップを作成した例です。マップを作成したことで、「学生が企業を深く知るための情報を発信する」というWebサイトの方向性が定まりました。

Webサイトの作成側だけではなく、ペルソナである学生がマップ作成に参加したことで、より納得感のあるカスタマージャーニーマップとなっています。

参考:https://webtan.impress.co.jp/e/2013/11/27/16409

3. 顧客接点と情報発信内容を明確化した空港

▲空港利用者を増やすために作ったカスタマージャーニーマップ(出典:株式会社アシスト中部国際空港では、「飛行機利用者以外の空港利用者を増やし、収益を上げる」というテーマのもと、カスタマージャーニーマップを作成しました。

マップ内では、ターゲットの行動を「遊び場所を探す」「遊ぶ場所を決定する」「遊ぶ場所に行く」「遊ぶ」の4つに分け、それぞれのフェーズにおいて顧客と接触するために必要な課題を特定しています。

具体的には、ワクワク感を感じられるサイトの作成やアクセス情報の提供、様々な遊びやイベントの情報発信などが必要であることが明らかになりました。

参考:https://noren.ashisuto.co.jp/seminar/report/1187443_1574.html

カスタマージャーニーマップを含めたUXデザインを依頼するならクロスデザイナーがおすすめ!

カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社の商品を認知し、選び、購入し、リピート利用するまでの過程を図と言語で可視化したものです。

マップを作成することで、顧客の行動や思考、感情、課題を理解することができ、商品やサービス満足度向上につながります。

Webサイト制作やアプリ開発などにおいても顧客理解に役立つため、積極的に作成するようにしましょう。

なお、ペルソナ設計やカスタマージャーニーマップ作成など、クオリティの高いUXデザインを求めるならクロスデザイナーがおすすめです。

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梅澤 杏祐実
記事を書いた人
梅澤 杏祐実

インタビューライター/SEOディレクター。新聞記者を経て、フリーランスのライターとして経済・文化・地域活性など1,000人以上に取材を行う。Webクリエイター能力認定試験エキスパート。HTML、CSSやWebデザインの知見を深めながら、地元福井を中心にさまざまなWebサイトの運用にも携わっている。