メタバースクリエイターとは?企業における役割を紹介 | フリーランス・業務委託採用|クロスデザイナー

メタバースクリエイターとは?企業における役割を紹介

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この記事では、急速に拡大するメタバース市場の動向や活用事例を紹介したうえで、メタバースクリエイターのキャリアパスや年収について解説します。

メタバースの開発に関わるさまざまな職種の役割や特徴も説明しているので、メタバースクリエイターを目指している方や、フリーランスでメタバース関連の仕事を探している方はぜひ参考にしてください。

メタバース市場は急速に拡大している

総務省の「令和4年版情報通信白書」によると、世界のメタバース市場は10年で急速な成長が見込まれています。2021年の389億ドルから、2030年には6,788億ドルまで、約17倍と大幅に拡大すると予想されています。

出典:内閣府知的財産戦略推進事務局「メタバース上のコンテンツをめぐる新たな法的課題への対応についての参考資料」より引用また、「令和5年版情報通信白書」によると日本のメタバース市場規模も急速に拡大しており、2022年の売上⾼(⾒込値)は1,825億で前年⽐145.3%増であったことが明らかになっています。

日本におけるメタバースの活用事例

上述の通り日本のメタバース市場は拡大しており、日本全国のさまざまな地域がメタバース上で再現されたり、メタバース上で経済活動が行われたりするなどして高い注目を集めています。

メタバースは、サイバー空間において距離や時間、活動範囲などさまざまな制約から解放されるため、社会の発展に大きく影響する可能性があり、今後も市場の拡大が見込まれています。

ここからは、メタバース事業やブロックチェーン事業を展開するUrthが公開している「メタバースカオスマップ」を参考に、メタバースは実際にどのようなサービスで活用されているのかを解説していきます。

出典:Urth「【2023年7月版】メタバースカオスマップ」より引用Urthによると、メタバースを活用したサービスは「SNS型」「Web型」「Game型」と、それら3つに属さない「その他」の4つの類型に分けられるといいます。類型別の特徴を説明し、活用事例として代表的なサービスをピックアップしてご紹介します。

SNS型

従来のSNSとは異なり、仮想空間でアバターを介したコミュニケーションを取ることができる点が特徴で、操作者の身体の動きによって表現の幅が広がります。また、バーチャルストアの運営やNFTの売買など、仮想空間内での経済活動も可能です。

NFTとはNon-Fungible Tokenの略で、非代替性トークンと訳されます。

トークンとはブロックチェーン上で構築するデジタル資産を指し、代替可能なもの(Fungible)と代替不可能なもの(Non-Fungible)があります。

ビットコインやイーサといった仮想通貨(暗号資産)はFT(Fungible Token:代替性トークン)であり、種類が同じで資産価値が等しいトークンと交換可能です。

一方、NFTはブロックチェーン上で代替不可能なデジタルデータを指します。これには、デジタルアート作品、音楽ファイル、ビデオクリップ、ゲーム内アイテム、ツイート、デジタル不動産といったあらゆるデジタルコンテンツが含まれます。

ブロックチェーンとは暗号技術を用いて取引履歴を1本の鎖のようにつなげて保管する技術を指し、データの破壊や改ざんが難しく障害によってシステムが停止しにくいという特徴があります。このブロックチェーンの技術を活用することによって、コピーや改ざんが容易な通常のデジタルデータとは異なり、NFTは唯一無二のものであることを証明でき、希少性が担保されるのです。

そのためNFTは、特にアートやゲームなどの分野で活用され、デジタル空間に新たな市場と価値を生み出すデジタル資産として注目されています。

【SNS型の事例】

1.ZEPETO

韓国企業「NAVER Z」が提供するアジア最大級のアバタープラットフォームで、ユーザー同士のコミュニケーションや、アバターのカスタマイズ、SNS配信が可能な点が特徴です。特にZ世代からの人気が高く、ファッションブランドとのコラボも積極的に行われています。

2.Decentraland

カリフォルニアを拠点とする非営利団体「Decentraland Foundation」が開発・運営する、イーサリアムブロックチェーンを利用した分散型仮想ソーシャルプラットフォームです。ゲーム内通貨MANAを利用して、デジタル不動産LANDやウェアラブルアイテムなどをNFTとして取引できます。ユーザー同士が協力して組織運営する分散型自治組織DAOを通じて、ユーザーはMANAとLANDの所有者に提案や投票ができる点も特徴です。

3.cluster

日本企業「クラスター」が提供する日本最大規模のメタバースプラットフォームで、スマホやPC、VR機器などさまざまな環境からバーチャル空間に集って遊べる点が特徴です。音楽ライブや発表会などのイベントの他、いつでも参加できるバーチャルワールドでチャットやゲームを楽しめます。

Web型

アプリケーションのダウンロードが不要で、ハイスペックなPCやVR機器がなくてもブラウザ上で体験できる点が特徴です。スマートフォンからもアクセス可能で、利便性に優れています。主に既存ユーザーや興味関心層に向けた情報発信や、双方向コミュニケーションの場として活用されています。

【Web型の事例】

1.DOOR

ドコモから生まれた「NTTコノキュー」が提供するプラットフォームで、ソーシャルVR機能で誰でも簡単にバーチャル空間を作成することができる点が特徴です。個人利用のほか、企業イベント、バーチャルショップ、バーチャルフリーマーケット、バーチャル学校、世界遺産など、100万人以上の個人や企業の方々に利用されています。

2. Vket Cloud

日本企業「HIKKY」が提供するメタバース開発エンジンで、誰もが自分だけのメタバースを作成し利用できる点が特徴です。プラットフォームの制限の中で限られたユーザーに対してコンテンツを提供するのではなく、インターネットに存在するすべてのユーザーに対してオープンなコンテンツ、サービスを届けることができます。

3.V-air

メタバース事業やブロックチェーンを展開する日本企業「Urth」が提供する法人向けメタバースです。商談の場やセミナー会場、バーチャルオフィスなどの利用に特化している点が特徴です。アバターとしての会話ももちろん可能ですが、信頼性を求められるビジネス面での利用を考え、ビデオ会議システムと同様の顔を見せての会話を実現しています。

GAME

プレイヤーはアバターを操作して他のプレイヤーとコミュニケーションを取り、協力したり競争したりしてゲームを楽しめます。ゲーム内でのアイテム取引や仮想通貨の利用によって経済的な活動が可能な点も特徴です。このエンターテインメントと経済活動の融合により、多くのユーザーに楽しみと収益の両方を提供しています。

1.Fortnite

米国に本社を置くゲーム開発企業「Epic Games」が提供している人気のオンラインゲームで、アドベンチャー、ロールプレイ、サバイバルなど、数千ものクリエイター制作のゲームをプレイできます。無料でフレンドと遊んだりコンテンツ制作をしたりできるほか、 コンサートやライブイベントなどに参加することも可能です。

2.マインクラフト

米マイクロソフト傘下の「Mojang Studios」が開発元のサンドボックスゲームです。ゲーム史上最も有名なタイトルの一つで、2023年には販売本数が3億本を突破しています。開発側から特定の目的を与えられず、プレイヤーは探索や建築、ギミック開発などを自由に行える点が特徴です。

3.Axie Infinity

ベトナム企業「SkyMavis」が提供するNFTゲームです。プレイヤーがアクションを起こすことで報酬としてゲーム内通貨であるSLPを獲得できます。SLPはビットコインをはじめとする仮想通貨と交換することで現金化も可能なため、ゲームを遊びながら稼げる仕組みが注目を集めました。

その他

「SNS型」「Web型」「Game型」に属さないものから特徴的なサービスを3つご紹介します。

1.Medical Verse

XR事業、メタバースサービス、イベントサービスを行う日本企業「monoAI technology」が提供する、日本初の医療機関向けメタバースプラットフォームです。医療従事者がオンラインで学会や講演会を実施する際の課題である、講演者と参加者の交流を推進するため、音声減衰をなくした双方向コミュニケーションの実現や名刺交換機能など、現実世界のようにユーザーが同一空間を共有できる仕組みを整えています。

2.comony

不動産・建築・都市開発業界向けにCG・VR関連サービスやDX支援を行う日本企業「ラストマイルワークス」が提供する、建築メタバースプラットフォームです。バーチャル空間上に建てられた世界の名建築や、ここでしか見られないアンビルド作品などいつでも気軽に訪れることができます。また、クリエイターがメタバース上にポートフォリオを作成できたり、メタバース上に構築された空間を活用して建築ツアーやオープンハウスを行ったりすることも可能です。

3.Virbela

米国ワシントン州に本社を置く「eXp World Technologies」が展開するビジネスや教育に最適化されたプラットフォームです。ビジネスや教育現場で必要とされる空間が多数用意されている点が特徴で、スタンフォード大学やサンダーランド大学といった教育機関での利用実績もあります。アバターを介してオフィス、展示商談会、学校の授業、大規模会議、カンファレンス、音楽ライブなどのイベントを実施・体験することが可能です。

メタバースクリエイターとは

メタバースクリエイターとは、仮想世界を構築するために必要なスキルや技術を持ち、仮想空間やアバター、プロップといったさまざまな要素を構築する役割を担います。

プロップとは、仮想空間に配置されるアイテムのことです。例えば建物であれば、ドアや窓、屋根などの建物を構成するものから部屋の中に置かれている机や椅子まで、さまざまな要素をプロップと言います。仮想世界の構築には多くのプロップが必要になりますが、プロップの完成度は仮想世界のリアリティやユーザーの満足度に影響するため、細部にこだわり現実世界を拡張するような豊かなユーザー体験を提供することが重要です。

メタバースクリエイターのキャリアパス

メタバースクリエイターは、最先端のツールを使いこなして仮想世界を構築する技術力が求められます。そのため、大学や専門学校などで専門的な知識を学びながら、実際に制作して実践的なスキルを習得してから就職するケースが一般的です。また、ゲームクリエイターからメタバースクリエイターへとキャリア転換するケースも多く見られます。

メタバース関連の就職先は主に以下の2つです。

  • メタバース関連のコンテンツ開発を行っている企業
  • メタバースに参入している企業の事業部へ就職

クリエイターとしての実績を積んでからのキャリアパスは、主に以下の3パターンがあります。

  • 企業でプロジェクトリーダーとしてチームをけん引する。
  • 専門性を追求してフリーランスとして働く。
  • 副業案件を獲得してダブルワークをする。

いずれのパターンでも、メタバース業界の盛り上がりと技術の進化から、メタバースクリエイターのニーズはますます高まり、活躍の幅は拡大していくことが予想されます。

メタバースクリエイターの年収

中国では数年前から多くの企業がメタバース人材を集めるために給与を引き上げており、2022年時点で新卒者でも40万元~50万元(当時1元は約19.7円、約788~約985万円)、勤続年数10年の技術者は100万~200万元(約1970万円~3940万円)、優秀な人材であれば400万元(約7880万円)以上のケースもあるといいます。

参考:「人民網日本語版」2022年8月16日

日本では海外ほど給与が高額ではないものの、さまざまな企業がメタバース人材の獲得や流出防止に向けて待遇改善などの取り組みを行っています。

コンピュータエンターテインメント協会の調査結果で、2022年の年収を開発に携わっているプラットフォーム別にみると、「VR・ウェアラブル端末」は最も高く平均747.3万円で、前年の634.9万円から100万円以上増えています。また、国税庁の「令和 4年分民間給与実態統計調査」の平均給与458万円と比較すると大幅に上回っていることがわかります。

参考:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会の「ゲーム開発者の就業とキャリア形成 2023」
国税庁「令和 4年分民間給与実態統計調査

メタバースを開発する流れ5ステップ

ここで、メタバースを開発する際の基本的な流れを、以下の5つの工程に分けて説明します。

  1. 企画
  2. 設計
  3. 制作
  4. 開発
  5. テスト・リリース

1.企画

最初にメタバースを制作する目的やコンセプトを明確にし、ターゲットユーザーや利用シーンなどを検討して、プロジェクトの方向性を決定しましょう。また、サーバーやプラットフォームを選定し、必要なリソースを調整します。

2.設計

次にメタバースの全体像を設計します。具体的には、空間の広さや機能、配置するプロップやアバターのデザイン、インタラクションの設計といった要素が含まれます。

3.制作

続いてメタバース内に配置する素材やアバターを制作します。3Dモデリングやアニメーション作成、テクスチャリングなどを行います。

4.開発

メタバース空間を実際に構築します。3D素材を配置し、インタラクションなど必要な機能を実装して、プラットフォームの設定を行います。

5.テスト・リリース

メタバース空間をアップロードしたら、テストをしてバグの修正や最適化を行います。また、ユーザーテストを実施してフィードバックを収集し、問題点を改善することも重要です。要件を満たすメタバースが完成したら、ユーザーに公開します。

メタバースクリエイターの仕事内容と役割

ここからは、主な仕事内容と役割を以下の7つの職種に分けて説明します。

  1. デザイナー
  2. エンジニア
  3. イラストレーター
  4. 3Dモデラ―
  5. サウンドクリエイター
  6. ゲームプランナー
  7. NFTアーティスト

デザイナー

メタバースの制作に関わるデザイナーは、3DCGデザイナーとUI/UXデザイナーの大きく2種類に分けられます。3DCGデザイナーの役割は、メタバース空間やアバター、背景、建物、自然物などのプロップなどのデザインです。UI/UXデザイナーは、メタバース上での操作や体験を設計します。

エンジニア

メタバースの開発に関わるエンジニアは、ゲーム開発エンジニア、サーバー開発エンジニア、Android・iOSエンジニアの大きく3種類に分けられます。

ゲーム開発エンジニアの役割は、ゲームエンジンを操作して、メタバース内のゲームやインタラクティブな要素の開発です。ゲームエンジンとは、UnityやUnreal Engineといったゲーム開発に必要な機能を備えたソフトウェアのことで、効率良くゲーム制作を行うことができます。

サーバー開発エンジニアは、メタバースのバックエンドを担当し、ネットワークやサーバー、データベースなどシステム基盤の設計・構築・運用・保守を担当します。また、メタバースの進化に伴ってサイバー攻撃のリスクも増しており、セキュリティ対策も重要です。

Android・iOSエンジニアは、メタバースのモバイル向けアプリを開発します。リリース後はバグや不具合の修正や、新機能追加などのアップデートを行います。

イラストレーター

イラストレーターの役割は、メタバース内のアートワークやキャラクターデザインの制作、イラストの品質管理です。アバターや背景、プロップのデザインを担当します。

3Dモデラ―

3Dモデラ―の役割は、メタバース内の3Dオブジェクトやプロップの作成です。イラストレーターのスケッチやデザイナーが2Dで描いたデザインをもとに、3Dソフトウェアを使用して、リアルな3Dグラフィックを作り上げます。

サウンドクリエイター

サウンドクリエイターの役割は、メタバース内の音楽や効果音の制作です。シーンに合ったBGMの作曲、アクションや環境に合った効果音の制作、ボイスチャットやアバターの発話など音声コンテンツの編集などを担当します。

ゲームプランナー

ゲームプランナーは、クライアントやディレクター、プロデューサーの要望と市場のニーズを把握し、ゲームの企画を立案する役割を担います。アイデアを元に、ゲームのストーリーや世界観、キャラクター、ルールなどを設計し、具体的なプランをまとめ上げます。

NFTアーティスト

NFTアーティストは、デジタルアートを制作し、NFT化した作品をオンラインのマーケットプレイスで出品販売したり、交換取引を行ったりするクリエイターを指します。NFT作品には、2Dイラスト、3Dモデリング、アニメーション、音楽、映像など、さまざまな種類があります。

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本記事では、急速に拡大するメタバース市場の動向について解説したうえで、メタバースを活用したサービスを「SNS型」「Web型」「Game型」と、それら3つに属さない「その他」の4つの類型に分けて、代表的なサービスをピックアップしてご紹介しました。

また、メタバースクリエイターのキャリアパスや年収について解説し、メタバースの開発に関わる7つの職種について役割や特徴を説明しています。メタバースクリエイターを目指している方や、メタバース関連の仕事を探しているフリーランスの方はぜひ参考にしてください。

メタバースクリエイターとしての実績を積んでからのキャリアパスは、「企業でプロジェクトリーダーとしてチームをけん引する」「専門性を追求してフリーランスとして働く」「副業案件を獲得してダブルワークをする」の主に以下の3パターンがあります。

いずれのパターンでも、メタバース業界の盛り上がりと技術の進化から、メタバースクリエイターのニーズはますます高まり、活躍の幅は拡大していくことが予想されます。

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曄道 うるは
記事を書いた人
曄道 うるは

Webディレクター&SEOライター。出版業界、広告代理店、IT業界を経てパラレルワーカーに。執筆した記事は500を超える。得意ジャンルはIT、ヘルスケア、金融。座右の銘は「好きを仕事に」。