ゲームにおけるUIデザインとは?仕事内容や採用のコツを解説 | フリーランス・業務委託採用|クロスデザイナー

ゲームにおけるUIデザインとは?仕事内容や採用のコツを解説

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ゲームにおけるUIデザインとは、ユーザーが快適にプレイするために必要な情報を整理して、導線をふまえた設計・デザインを指します。ゲーム開発においてUIデザイナーの役割は広く、情報の整理やビジュアルの制作、コーディングなど幅広い知識やスキルが必要です。

しかし、このような幅広いスキルや知識を備えた人材はすぐに見つかるものではなく、ゲームUIデザイナーの採用に悩んでいる担当者も少なくありません。

この記事では、ゲームUIデザイナーの仕事内容や採用のコツについて解説し、ポートフォリオの見極めポイントまでご紹介します。

ゲームのUIデザインとは

ゲームのUIデザインとは、ボタンやキャラクター、画面など、ユーザーとの接点となるゲームの外観のことを指します。

ゲームは種類によってキャラクターカードやメンバー編成画面、バトル画面、ガチャボタンなどたくさんの要素があります。それぞれの要素は独自性が求められますが、ゲーム制作においては、「いかにユーザーが迷わずに行動できるか」が重視されます。

ゲームUIデザインとゲームUXデザインの違い

ゲームUXのUXはユーザーがプロダクトをとおして得られる体験のこと。ユーザーに「また遊びたい」「面白い」と思わせるシナリオやストーリーがUXです。わかりやすくいうと下記のとおりです。

  • UI:プロダクトとユーザーの接点
  • UX:ユーザーがプロダクトから得られる体験

UI/UXデザイナーと表記されることもあるように、UXデザイナーの領域にはUIデザイナーの領域が含まる場合もあり、ゲームのUXデザイナーはゲームのUIデザインを兼務することもあります。

ゲームUIデザインと一般的なUIデザインとの違い

ゲームのUIデザインが一般的なUIデザインと違う点は、ユーザーの感情を意識しているところです。ビジュアルも一つひとつが作り込まれていて、テキストや画像、アイコンなどシンプルな要素で完結する一般的なUIデザインとは異なります。

ゲームの操作もタップやスライド、ドラッグなど特有のものがあり、一般的なアプリの操作よりもユニークでUXにつながる部分が多いのが特長です。

デザインの原則といわれる「CRAP」をもとに、ゲームと一般的なUIデザインの違いについて解説します。

Contrast:強弱

UIデザインにおける「Contrast」とは、ユーザーが情報の取捨選択がしやすいかどうかが重視されます。情報の優先度を明確にするには、不要な情報を入れてはいけません。そのため、一般的なUIデザインはビジュアルだけではなく、コピーにおいても不要な情報を削ぎ取っています。

しかし、ゲームのUIデザインは、ユーザーを飽きさせない目を引くようなデザインが求められるため、削ぎ落す要素を見極めなればなりません。情報の強弱の付け方は以下のようなテクニックがあげられます。

要素
反対色を組み合わせる
大きさサイズの比率を変える
同じ要素は同じ形にする
フォント見出しと説明に使用するフォントを変える
アイコン・ボタン色や形状で視認性を高める

これらの要素を意識して視認性に強弱をもたせることで、ガイドがなくてもどこをクリックまたはタップすればよいのかユーザーに伝えることが可能です。

Repetition:反復

ボタンやアイコンなどの形状や色をそろえて、くりかえすことで同じ情報に一貫性をもたせることができます。たとえば以下のような要素が適しています。

  • メニューアイコン
  • ボタンの形状
  • フォント
  • 背景
  • キャラクターのタッチ

フォントも要素ごとに統一することで、ユーザーはストレスを感じることなく安定した操作が可能です。

また、全体的なイラストの描写や背景などもゲームのテーマにあわせたものを一貫して使用することで、ゲームタイトルの表示がなくてもゲームを理解できるようになります。

Alignment:整列

ユーザーが画面内の情報を理解しやすいように、ボタンやアイコンなどの各要素やテキストは配置をそろえます。たとえばメニューは垂直または水平に整列するといった具合です。どこに何があるのか、プレイ中にじっくり見なくてもわかるように一貫性をもたせて配置します。

ユーザーにとって重要な情報はすぐにわかる場所に配置することも大切です。情報の優先度を決めて、重要なものから配置することで視認性を高めることができます。

Proximity:近接

関連する情報同士を近づけることも大切です。たとえば以下のような要素があげられます。

  • キャラクターのステータス
  • アイテムリスト
  • プレイ中の他ユーザー
  • クエストタスク

ユーザー視点をもつことで、どの要素をまとめればよいのかわかるようになります。また、スマートフォンアプリのゲームの場合、特別な機能をもたせたアクションボタンを配置するのも効果的です。通常の操作とは異なる動きをユーザー自身が選択できるため、UXの向上につなげることができます。

ゲームUIデザイナーの仕事内容

ゲームのUIを担当するUIデザイナーは、ユーザーがゲームを楽しむために必要なUIを設計する役割をもっています。仕事内容は以下のとおりです。

  • ターゲット層の明確化
  • ユーザー体験の設計
  • プロトタイプの作成
  • ビジュアルデザインの制作
  • ゲームUIを演出する
  • ゲームエンジンへの実装・組み込み
  • 全体を調整する

それぞれの具体的な仕事内容についてかんたんに解説します。

ターゲット層の明確化

ゲームのUIデザイナーは、ターゲット層を明確に理解する必要があります。ゲームのプレイヤーは年齢や性別、操作レベル、ジャンルの好みを考慮しなければなりません。たとえば子ども向けなら、かわいらしさやインパクトのあるキャラクターをデザインしたり、大人向けなら昔の人気ゲームを思い出させるようなデザインを採用したりといった具合です。

年齢や性別などターゲット層の幅が広いときは、一番伝わりにくいターゲット層にあわせる必要があります。さまざまな要素を考慮して定めたターゲットは、ゲームの制作チームで共有しておくことが大切です。

ユーザー体験の設計

ゲームのUIデザイナーは、ユーザーに「楽しい」と感じてもらえるようにUXの設計も行います。ユーザーの操作による場面の動きやボタンを押したあとに遷移する画面など、開発工程を意識したレイアウトやデザインを考えます。

ゲームを楽しむユーザーだけではなく、クライアントの目的もふまえたうえで適切な導線設計を行うことが大切です。遷移後の画面の流れも設計しておくことで、ユーザーとの接点を把握しやすくなります。

プロトタイプの作成

つぎに設計をもとにプロトタイプを作成します。ユーザーがストレスなくプレイできるように、画面に表示する情報量に気を配ることが大切です。インターフェースデザインだけではなく、バトルやミッションなどのクエストを達成するためにどのように行動すればよいのか、わかりやすい説明をくわえることも大切です。

広告やガチャなど、クライアントの収益につなげるためにユーザーへ行動を促す方法も検討します。チームメンバーにもチェックしてもらうことで、提供できるユーザー体験に磨きをかけることができます。

下記の記事では、UI/UXデザインにおけるプロトタイプの作成方法についてくわしく解説しています。参考になさってください。

関連記事:Webデザインのプロトタイプとは? 作成方法やおすすめのツールを紹介

ビジュアルデザインの制作

プロトタイプをもとに、ビジュアルデザインを制作します。遷移や動きに必要なアニメーションも考えて、ユーザーを惹きつける魅力的なデザインを制作することで離脱を防げます。Webデザインの経験がある人なら、十分にスキルを発揮できるでしょう。

FPSやRPGの場合、ゲーム内の地理が複雑だと離脱の可能性が高まります。視覚的な魅力にくわえて、わかりやすさを意識することが大切です。

ゲームUIを演出する

ゲームUIとは、トランジションやエフェクト、音楽、音声効果などの要素を指します。こうしたユーザーに訴えるメタ要素はゲームへの没入感を高めるために欠かせないものです。アニメーションは『Flash』や『Adobe After Effect』などのツールを使用することが多く、ゲームの魅力を高める演出効果をつけることができます。

ボタンを押したときやキャラクターのセリフ、操作に対するエフェクト効果などはユーザー体験の向上につながるため、動きが必要なパーツを見極めて演出効果をくわえていきます。

ゲームエンジンへの実装・組み込み

完成したUIデザインを『Unity』などのゲームエンジンに実装します。実装にはコーディングのスキルが必要となるため、UIデザイナーはエンジニアと協力して組み込んでいきます。

ゲームエンジンに関する知識をもつ人材がいないときは、デザイナーとエンジニアの橋渡し的な役割として専門の担当者を配置してください。

全体を調整する

実装が完了したら、実際にゲームをプレイしてみて各要素に施した機能や演出効果がうまく動いてくれるのか確認します。ゲームをプレイするプラットフォームは、パソコンやスマートフォン、ゲーム専用の端末などがあり、それぞれフォームが異なります。ゲームのUIデザインに合うようにUIを調整し、一貫性をもたせることが大切です。

ゲームのレベルにあわせてUIのアップデートを行うときは、新しい要素や情報の追加も忘れずにおこないましょう。

ゲームUIデザイナーの採用で見るべきスキル

UIデザイナーは需要が高いものの、採用市場では見つけにくい状況です。また、デザイナーの採用はスキルの判断がむずかしく、採用活動に悩む担当者も少なくありません。優秀なゲームUIデザイナーを採用するためのコツについて解説します。

UIデザインのスキル

ゲームのUIデザイナーは、ユーザーがストレスなくプレイできるように、わかりやすさを意識したUIデザインを作るスキルが求められます。必要な情報を整理してグラフィカルに伝えられるスキルがあるかどうかが大切です。採用候補者のポートフォリオをチェックして、デザインスキルを確認してください。

デザインスキルだけではなく、ユーザーの潜在ニーズをくみ取るスキルもゲームのUIデザインには必要です。「どうしたらユーザーに楽しんでもらえるか」という考え方について、自社と合致しているかを面接時に確認しましょう。

また、スマートフォンアプリのゲーム開発の場合、レスポンシブデザインの経験の有無も確認することがおすすめです。

以下の記事では、UIデザイナーに必要なスキルについて解説しています。

関連記事:(制作中)UIデザイナーに必要なスキルとは?UXデザイナーとの違いも紹介

開発環境の知識

コーディングの知識をもつUIデザイナーなら、ゲームエンジンへの実装を意識したプロトタイプの作成が可能です。デザインの段階で演出効果の動作を意識しながら作れるため、開発チームとのコミュニケーションがとりやすくなります。

採用候補者にプロトタイプを作成してもらい、実際に実装が可能か確認する方法も効果的です。制作したデザインがどのようにゲームエンジンに組み込まれるのか、プロセスを確認してもよいでしょう。

実際に実装や組み込みを任せる予定はなくても、知識があればエンジニアとの認識齟齬も起きにくく、スピード感をもった開発が可能です。採用候補者にコーディングなど開発環境の知識があるかどうか確認してください。

Webデザイナーのなかにはコーディングの知識をもっている人も少なくありません。どのような言語を習得しているのか、下記の記事で確認できます。

関連記事:Webデザイナーはコーディングもできる?依頼できる業務を解説

コミュニケーションスキル

ゲーム開発には多くの人間が関わるため、コミュニケーションスキルは重視しましょう。チームからのフィードバックなども素直に受け入れられる人でないと、円滑な進行が難しくなります。

また、クライアントからのデザインに関する指示の意図をくみ取るスキルも求められます。たとえば「ボタンを赤くしてほしい」という要望があった場合、そのまま赤色へ変更するだけではなく、他のボタンと比べて目立つ色にする理由を含めて提案できる人が求められます。

さらに、マネジメント力も大切です。時間管理や進捗管理が行える人は、プロジェクトの成功に欠かせません。これらのスキルは応募書類からは判断がむずかしいため、面接時に確認しましょう。

デザイナーとのコミュニケーションの取り方を知りたい方は、下記の記事が役立ちます。

関連記事:デザイナーと円滑にコミュニケーションを取るコツは?依頼時から納品までフェーズごとに解説

ゲームUIデザイナーのポートフォリオの見極めポイント

ゲームUIデザイナーを志望する人材がポートフォリオを持参したときに、活躍できる人材か見極めるためのチェックポイントについて解説します。

採用担当者がポートフォリオをチェックするときのポイントは以下の記事でご紹介していますので、参考にしてください。

関連記事:ポートフォリオの採用基準とは?効率的に採用するための6つの評価ポイント

ポイント1. ユーザー目線のレイアウト

UIデザイナーのポートフォリオをチェックするときは、ユーザー目線を意識しているかが一番のポイントです。伝えたい内容が整理され、ユーザーにとってわかりやすいレイアウトかどうかを評価します。チェックする項目は以下のとおりです。

  • 画像のサイズ
  • 余白の広さ
  • 背景の色
  • フォントの種類・サイズ
  • プロフィール

作品を評価するときは、解説文だけではなく、使用したソフトや製作時間も確認しましょう。どのくらいのスピードで制作できるのか実践的なスキルを判断できます。中途採用で前の会社で制作したゲームのUIデザインをポートフォリオにしているときは、担当領域や制作意図まで記載されているか確認してください。

ポイント2. 情報整理

制作物が多い場合、ジャンルなど適切なカテゴリに分類され、見やすく整理されているかを評価します。作品一つひとつを評価するときは、体力ゲージやマップ、クエストなどの要素が見やすく整理されているか確認してください。

中途採用の場合、過去のプロジェクトでどのような課題があり、その解決に向けてどのように対処したかが書かれているかもチェックしましょう。課題を解決するための設計力を評価できます。もし記載がないときは、面接時に確認してください。

ポイント3. 基本デザインの制作スキル

グラフィックデザイナーやWebデザイナーは、そもそもビジュアルデザインの基本的なスキルを備えていることが必要です。ゲームのUIデザイナーへ応募してきたときは、バナーやゲームロゴなどのオリジナル作品があるかをチェックします。基本のデザインスキルを評価したうえで、ゲームのUIデザイナーとして採用できるか判断が可能です。

ポートフォリオに掲載した作品が、自社のゲームにあっているかも確認してください。既存のデザインにも柔軟に対応できるスキルをもっていれば、運用側としても採用を検討できます。

ポイント3.コンセプトに合わせた世界観

ゲームにはファンタジーやFPS、ホラー系などさまざまなジャンルがあります。すぐれたデザイナーであっても得意ジャンルはそれぞれ異なるため、ポートフォリオで得意ジャンルやデザイナーが好みとする世界観を把握することが大切です。

独創性が高いデザインを作れるデザイナーなら、自社のプロジェクトに新たな視点をもたらす可能性があります。ただし、あまりにも世界観が離れていれば採用のミスマッチにつながる可能性もあるため、応募者に自社を志望した理由を聞くなど、人材側の考えも確認しましょう。

優秀なゲームUIデザイナーをお探しなら、クロスデザイナーにおまかせください

ゲームのUIデザイナーは、通常のUIデザインとは異なり、ユーザー体験を意識したデザインスキルが求められます。ポートフォリオで基本スキルを評価できれば、グラフィックデザイナーやWebデザイナーをUIデザイナーとして採用する方法も有効です。

UIデザイナー自体は比較的新しいジャンルのため、活躍を期待できる人材は見つかりにくく、理想のスキルをもつ人材を採用できないと悩んでいる担当者も多いことでしょう。

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吉永 ゆくら
記事を書いた人
吉永 ゆくら

デザイン系の専門学校でグラフィックデザインを学ぶ。デザイン事務所に就職後、縫製業と企業の専属ライターを経てフリーランスに。デザイン・縫製・Webとものづくりの楽しさとやりがいを仕事を通して感じています。現在はオウンドメディアのコンテンツ制作を中心に活動中。